「何かわからなくなったり、迷ったり、不安になったら、すぐに私に言ってね。」
店長は、新人Kさんにこのように伝えました。これは、新人が初日を迎え、一番最初に行うオリエンテーションで、店長が新人に伝えるべき最も大切なひと言です。
新人が入社、入店すると、先輩やトレーナーがついて研修、指導を行います。しかし、毎回毎回、同じトレーナーがついてくれるとは限りません。ペアー制度が確立しているようなところでも、時々別の先輩やトレーナーがついて教えてくれることはあるのです。
新人にとって、先輩が教えてくれることは、その日その場では「絶対」です。(別に「絶対」ではないのですが、新人としてはそう言う気持ちになるのです。)なので、言われたことを忠実に実行しようとします。この新人の気持ちが実は、あるキッカケで「大きな迷い」を産むことになります。
そのキッカケとは、「教える人によって言う事が違う」と言うことなのです。教える側にとっては、全員が同じ事を同じように教えているつもりでも、教えられる側にとっては全てが初めてのこと。教える側が当たり前でも、教えられる側にとってはそうではないことばかりなのです。
多くのトレーナーがこの大切なギャップを深刻には捉えていません。新人にとっては、その時のトレーナーの言うことが絶対です。(そう感じています)だから、「今教えていただいたことは、〇〇さんから聞いたことと違います。」とはなかなか言えないのです。これが、大きなストレスになります。
実は、教える側にとっては、「言い方が違う」だけで、「目的も方法も同じ事」であっても、教えられる側にとっては、それがわからない、それが違って聞こえる、のです。この重要なポイントを軽く見ているトレーナーが意外とたくさんいるのです。そう言う店舗は、新人が入店して1週間くらいまでに退職してしまいます。このポイントを軽く見ている店舗は、細かいところで新人の気持ちを理解せず、新人の立場に立ち切れていないので、徐々に新人に対するダメージを深めていくからなのです。
その為に、店長は、オリエンテーション時に必ず「困ったり迷ったり悩んだりしたら、すぐに言ってね」と言っておくのです。これが、店長にとっては、トレーナー間の微妙な認識方法の違いなどを知るキッカケにもなるのです。
新人を迎える側の気持ちとして大切なことは「新人の気持ち・立場になりきる」ことです。それは、教える側の「あたりまえ」を捨てることでもあるのです。「あたりまえ」「常識」「普通」・・・こういう感覚を捨てることで、始めて“本気で”相手の立場に立つことが出来るのです。
言われてみれば簡単なことなのですが、意外と無意識で新人にストレスをかけていることが多いものです。是非とも、新人アルバイトを採用したら(社員でも同じ事ですが)、あなたやスタッフが「普通」に考え「あたりまえ」「常識」と考えていることを、もう一度見直して、いや、捨ててしまってから、新人さんを教えて上げましょう。そうすれば、悲しい初期退職は、ぐん!と減らせます。いえ、これだけでほぼゼロにすることが出来ますよ!
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