モノを売るための「ずらし」のテクニック - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年12月05日更新

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モノを売るための「ずらし」のテクニック

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 モノを売るためには、その時代の環境によって傾向が大きく変わります。品質が最も重視された時代があったり、価格の安いことが第一という時代もありました。現代も、見た目が大事ですし、作ったり売る人の異能が重視されます。また、視点をずらすことも売ることの条件です。

 ずらすとは、レストランを例に上げますと、従来は美味しい料理が重視されましたが、今は料理よりもお店の雰囲気を一番に考える、お客さんも経営者も増えています。視点をずらして、ビジネスをするケースは増えています。学習塾でも、受験勉強より人格形成を売りにする塾が密かな人気です。

 アベノミクスの3本の矢にしても、国民の視点をずらして人気を集めているところがあります。1本目の矢が、大胆な金融政策です。これまでもゼロ金利政策によって、市場に資金の供給を行ってきました。今回は、日銀による異次元の金融緩和ということで、一段と資金供給を増やしました。

 2本目の矢は、機動的な財政政策として大規模な公共投資を実施しています。ここまでなら、従来の政権でも実施しようとするなら実施できる政策です。ただ、それまで以上に金融緩和を行ったとき、市場の資金需要を伴わない場合には、コントロール不能な円安に進行する心配があって二の足を踏んでいました。

 公共投資も大きく増やしますと、わが国の財政赤字はますます増加します。景気刺激のため、歴代の自民党政権が膨らませ続けた赤字国債や借金が、まもなく1千兆円にも達します。今回も結局は、効果的な成長戦略を駆使することができるかどうかに、デフレ脱却がかかっています。

 そこで、3度に渡って発表した3本目の矢の成長戦略です。既にここでも書きましたが、女性の活用、農業改革、薬のネット販売など、項目こそ多いですが、柱となるような成長戦略はまったくありません。期待先行だった株価も大幅に下がりましたし、諸外国の経済アナリストも失望しています。

 そこで安倍内閣は、視点をずらして参院選後に、成長戦略を新たに発表すると言い出しました。こんなところに、モノを売るための視点のずらしがでると思いませんでした。多分多くの国民は、選挙後も成長戦略に変化がないことは知っていながら、淡い期待半分で騙されるものと思います。

【一言】
 ビジネスのために考えられた手法が、他の分野で活用されることがありますし、他の分野がビジネスで利用されることもあります。時々、起業支援と称して、株式会社の設立登記の方法を支援している人がいますが、これもずらしの一種かも知れません。起業前の人にとって、会社設立はたいへんなことのように思いますが、起業支援はやはり、開業後の集客方法や事業の継続方法であるべきです。

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