- 湯沢 勝信
- 東京都
- 税理士
対象:税金
私どもの経験でも、開業後損益分岐点すなわち赤字にならない時点に達するだけの患者数が来院するようになるまでの時間は、確実に長くかかるようになってきていると言えます。赤字であるということは、イコールお金が減っていくということです。ビル診療所の内科開業で見ても、当初は、月に200万円位ずつお金が減っていきます。そのうちそれが100万円になり、50万円になり、そしてお金が増えも減りもしないようになっていくのです。このお金が増減しなくなるまでに減っていくお金として必要なのが開業時の運転資金と言われるものです。開業場所や、設備投資、経費の額によっても違いますが、できれば1500万円から2000万円はほしいところです。私どもの事務所では、いろいろなノウハウを使ってこの運転資金をなるべく多く確保できるようにしていますが、時にはそれでも足りなくなってしまう先生もいらっしゃいます。
正直言ってこうした場合に追加の融資をつけるのは非常に難しいです。
この場合の対策としては
1.親から一時的にお金を借りる
2.保険を解約したり、車を売ったりしてお金をつくる
3.当初の事業計画を現在の状態に合わせ、さらにこの先よくなっていくと言う形で修正し、追加融資をしてもらう。
4.返済金額を少なくしてもらうよう金融機関と交渉
ということになります。
4の方法をとるとその後の金融機関からの融資が難しくなってしまいますので、今後の事業展開に影響します。
開業後こうしたことにならないようにするためには、
計画の時点で十分な運転資金を確保することが大切です。