- 河野 英仁
- 河野特許事務所 弁理士
- 弁理士
対象:企業法務
- 村田 英幸
- (弁護士)
- 尾上 雅典
- (行政書士)
〜従来技術文献調査の重要性〜 (第1回) 河野特許事務所
2008年5月2日 弁理士 野口 富弘
事業の準備又は実施を早期に行うために、特許権だけでなく特許出願中の発明も貴重な財産権として活用され、特許出願段階での実施契約が活発化しています。一方で特許出願を行っても特許が成立するかは不確定であり、実施契約にはリスクが伴います。
そこで、一つの裁判例を通じて実施契約時の留意点を紹介します。
1.事案の概要
控訴人(実施権者)が、被控訴人(出願人)の特許出願中の発明(以下、「本件発明」という。)について拒絶理由通知がされたことを受けて、本件発明につき当事者間で締結した実施契約(以下、「本件実施契約」という。)に基づき支払った実施料の返還を求めた事案です(平成16年10月27日 東京高裁 平成16(ネ)3601)。
(第2回につづく)