「そのような考えを持ったキッカケはなんですか?何かエピソードを聴かせて下さい。」
この店の店長と担当マネジャーの面接質問へのこだわりは、この「エピソードを話させる」と言うことでした。
アルバイトの応募者の採用基準は、①に共感、②にスケジュールです。今築き上げているお客様に真剣になる店作りを進めて行くために、これから一緒に働いて行くスタッフとは、そのビジョンに共感を持って頂き、お互いにその人間性に共感出来なければ、いくらスケジュールが良くても、いくら同業種の経験があっても、採用はしてはなりません。
共感度が低い人を採用することで、チーム内の輪が乱れ、不協和音が発生し、それがお客様に影響してしまうからです。その事態を修復したり、信頼を取り戻したりする手間暇は、今まで構築してきた素敵な店作りの何倍もの労力が必要になります。
なので、採用基準の一番は決して「スケジュールの良さ」ではいけないのです。
応募者に対する採用面接では、この共感性を確認する質問をしていきます。この店の店長は、オープンクエスチョンで、相手の考えを引き出す質問を重ねてきました。一問一問、徐々に深掘りしながら質問を重ねて行きました。
そして、この流れでの最後の質問が冒頭の質問だったのです。
店長は、応募者にエピソードを語らせようと質問をしました。店長が続けてきた「お店の雰囲気」「自分の考え」「お客様への想い」などについての質問は、オープンクエスチョンで相手の考えを引き出すモノであっても、本音を引き出すのにはかなりのスキルが必要です。
しかし、「エピソード」は返答の難易度が急上昇します。作り話では共感は得にくいからです。エピソードは、身近な簡単なお話で十分です。「お客様への気持ち」「一緒に働く仲間への気持ち」ですから、ちょっとした経験を語らせ事で充分に応募者の根っこを見る事が出来ます。
「こないだ乗ったバスの運転手さんが、もの凄く丁寧で優しかったことに感動した」とか
「レストランで店員さんがニコッと笑って『お口に合いましたか?』と言われて嬉しかった」とか、そう言うお話しで十分です。
この店長は、お客様に楽しさと癒やしを感じてもらえる様な店にしたいと考えていました。彼女は、自分の志やビジョンをいつも考えていたら、日々の風景の中で、その気持ちに合ったシーンが見えてくる様になると言う経験をしていました。そのため彼女は、本当にお客様について考えていたら、なにかしらのエピソードには触れているはずだ、と考えていました。
この質問のハードルは、人によっては高いかも知れません。でも、この段階で自分の中からエピソードを絞り出せない人は、その後の仕事でも上手く表現出来ない確率が高いのです。
「オープンクエスチョン」と「エピソードクエスチョン」
是非、面接質問でやってみて下さい。きっと素敵な人材を見つける事が出来ますよ!
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