- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
好きになると、共通点を持ちたくなるのも、私たちの自然なシステムです。
「同じ場所に暮らし、同じ星を眺め、同じ言葉で語り合い、同じ時を過ごす」、恋愛というテーマなら、演歌でも、ポップスでも、バラードでも歌えそうなフレーズです。私たちは、より好きになろうとして、あるいは好きという気持ちをいつまでも持ち続けようとして、共通点を作り出す努力をします。
電車のなかで、たまたま前に座った二人、ご夫婦のときもあるし、仕事の同僚らしき2人、上司と部下の2人、友達どうし、親子など、いろんな2人を観察していると、表情や動作、うなずくタイミング、足の組み方まで一緒というペアもいれば、まったく違う、というペアもいます。
しかし、お二人の状態がわかると、「お二人はとっても仲がいいですね」なんてことを話しかけたくなるペアもいれば、「どうですか、本当は付き合いにくい相手だと思ってませんか?」って聞いてみたくなることもあります。仲がいいのか悪いのか、仲がよさそうに、どちらかがあわせているのか、取り繕っているのか、2人を観察していると、そのシンクロ状態が教えてくれます。しかし、もし確かめるために、話しかけるたとしても、特に付き合いにくい、と思っているほうは、本心をしゃべったりはしないでしょうね。
ある日の出来事です。混んだ電車の中で、立っていた私の隣にいたのは、30歳代らしき、良くしゃべる女性と、ほとんどしゃべらない女性の二人連れでした。良くしゃべる女性は、早口で滑らかに、次から次へと、しかも同じ内容の話を脚色を変えて巧みにしゃべるんです。
一駅間、その良くしゃべるほうの女性がずっとしゃべっていて、一駅過ぎて、ようやくしゃべらないほうの女性がしゃべったんですが、「えっと、ちょっと思い切っていわしてもらうと、、、」慎重に言葉を選びながらの話し振りで、声の高さや、話すスピード、テンポが全く対照的でした。この2人が話をあわせるには、ちょっと努力が必要ですね。友達というよりも、ご近所か親戚か、仲良くしなければいけないような、そういった関係だと感じたのはそんな理由からです。
しかし、漫才なら、そんな関係はネタになります。大助花子や、南海キャンデーズ、古いところでは、いとしこいし、などは、ぼけと突っ込み、テンポの違いが笑いのネタです。強い信頼関係がある2人が、あまりにもトンチンカンなのが、おかしい、ということは、反対に、強い信頼関係があるということは、どこかしら似ている、ということを、私たちは無意識に知っているのです。
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