教育費は本当に1,000万円かかるのか？（4）

第４回です。
今回は，調査結果の詳細（内訳）を見ていきたいと思います。

＜前提＞　幼稚園（私立）－小学校（公立）－中学校（公立）－高校（公立）

まず，文部科学省『子どもの学習費調査』では支出した項目（区分）ごとに細かく調査されています。
大きく分けると，学校教育費と学校外活動費に分かれています。

　【学習費総額＝（１）学校教育費（＋学校給食費）＋（２）学校外活動費】

（１）学校教育費（給食費含む）：授業料，修学旅行，生徒会費，ＰＴＡ会費，教科書費，学用品，通学費，制服費など

　いずれの支出も，学校や地域により差があるものの，学校に行けば必ず必要になる支出です。

（２）学校外活動費：家庭内学習費，学習塾（家庭教師）費，芸術文化活動月謝，図書費など

　これらは必ずかかる支出ではなく，ご家庭がその時の家計の状況により調整可能です。

具体的に，＜前提＞にそった学校教育費と学校外活動費の割合が次の表です。

（千円未満四捨五入）

 この表から必ず発生する支出（学校教育費）は全体の半分であることが分かります。

　ただし，学校教育費だけを考えておけばよいわけではありません。中学３年，高校３年の受験時期には，学校外教育の割合が上がっており，時期によって支出が増えています。小学校と中学校では，通して学校外活動費の方が高くなっています。　調整ができるということは，計画的に支出をしなければ，思わぬ負担になるということです。

　「小学校の時にはたくさん習い事をさせられたが，中学校に入ったら塾に（通わせたかったけど）通わすことができなくなった」とならないように，教育費以外の支出を見直すだけでなく，学年ごとの支出バランスを考えておく必要があります。この点は，住宅ローンの返済額を決めるのに，月収だけで判断する危険性と同じです。