- 敷浪 一哉
- 有限会社シキナミカズヤ建築研究所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
同じようで実は全然違うんです。
部屋が「日なた」になるとは・・・
家の中に燦々と陽が入っていて、もうそれはすこぶる明るくて、まるで草っぱらの真ん中や砂浜で過ごしているような、そんな開放的な明るさを得られるでしょう。
しかし、よく考えてください。寒い寒い冬や、春先なんかはいいでしょう。ぽかぽかして気持ち良いかもしれません。なんだかちょっと逃げ道が無い追い詰められた感じがしませんか?どこにいても太陽がジリジリと照りつける。当然夏が近づくにつれて家の中はサウナのようになってしまい、気持ちいいはずの空間に入ることをためらってしまうのでは?
そこで「陽だまり」。
陽だまりがあるということは、同じように日影もあるということ。草っぱらの中で木陰の中にいるような、砂浜の中でパラソルのなかにいるような、そういう感じ。
寒い時期は陽だまりの中でごろごろ。
暑くなってきたら日影に入ってごろごろ。
陽はいくらでも入ったほうがいいとお考えでしょうが、バランスが大事ですよ。
実は、人間は日影から日なたを眺めている状態が一番落ち着くという心理を持っているんですよ。皆さん一度は経験したことあるでしょうから、感覚はわかりますよね?
もう一つ、部屋の中に陰影が出来るので、とても立体的で奥深い空間が出来上がります。
それが、「陽だまり」にこだわる訳なんですわ。