ある時自分の会社に、見るからにその筋かと言う人がクレームで怒鳴り込んできたそうです。どう応対して良いかわからず、恐怖心も手伝ってただオロオロしていたところ、その当時の上司が「君は良いから」と一言残して相手を別室へ連れて行き、小一時間後にクレーム相手は何も無かったように帰って行ったそうです。
先輩:「大丈夫でしたか?」
上司:「いやあ大した事じゃないよ(笑)」
その時先輩はこの上司を、心の底から単純に「すごいな」と思って尊敬したそうです。
この尊敬の中には色々な要素が含まれています。怖さに立ち向かう勇気と責任感、怖さを感じないだけの経験と自信、相手を納得させた対応方法など、そこには人間性、経験、テクニックなど、すべてバランスよく発揮されていることに気付きます。
人から認めてもらうには、色々な要素をバランスよく高める必要があることを感じるとともに、自分にとっては当たり前でも、他人にとっては案外すごいと思われることもあるのかな、とも感じました。
自分の出来る範囲の小さなことでも、きちんと対処し、伝えていくことで“尊敬される上司”になっていけるのかもしれない、などと思っています。
このコラムの執筆専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「カリスマリーダー」は配慮が細かいという話(2024/01/31 23:01)
「うちは特別だから」という会社の話(2024/01/10 22:01)
メリットだけではない「離職率の低さ」(2023/12/06 23:12)
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質(2023/11/01 16:11)
「根気の続かない人」と「融通が利かない人」(2023/10/19 13:10)