1991年にバブル経済が崩壊し、最初の景気の山は96年に起こっています。この年、経済成長率は2.7%でした。当時は、バブル経済が崩壊していることを認識している人はまだ少なく、大型財政出動で再び景気は上昇すると多くの人は思いました。わたしも、直ぐに景気は持ち直すと考えていた一人です。
ただ、多額の不良債権を銀行が抱えており、97年4月には消費税を3%から5%に引き上げたこともあって、短い期間で好景気は終わりを告げました。そのうちに、アジア通貨危機や拓銀、山一證券、三洋証券など大型金融機関の倒産が続いて、日本経済も最悪の状態へと引き込まれていきました。
その後、金融機関が重い腰を上げて不良債権処理を始めたことにより、徐々に経済は建て直しに向かいます。03年からは景気上昇が始まりますが、中小企業には貸し渋りや貸し剥がしが激しくなり、ほとんど好景気を実感できない時期が続きました。個人消費や雇用環境の改善が実感できたのは06年です。
06年は1.8%と成長率は低いながらも好景気が実感できた年でした。ただ、07年に入りますと、サブプライム住宅ローンの影響による金融機関の倒産が、欧州ではじまりました。そして、08年はリーマンショックから世界大不況につながります。ざっと見ますと、この20年はこのような流れになります。
96年と06年周辺に景気の山が訪れました。この次の山は、3年後の16年と考えたくなります。これまでは、10年周期で大きな景気の山を迎えているからです。ただ、今の政府の予定では、消費税増税が14年と15年に予定されています。次の山がすんなり来るのか、変わるのか、考え込むところです。
【一言】
心配性の人には、あまり不幸なことは起こりません。ただ、外部からの不幸は起こらない代わり、自身の内部から病になったりしますから厄介です。そんなところから、みんなが不安に思っていると、災いは起こらないと思っています。そう考えますと、デフレ脱出はできそうですが、その後の控えている財政赤字がどこで国民生活に影響を与えるか、そこが大きな問題になりそうです。
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