- 真鍋 貴臣
- 香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
- 香川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
「出世して、子供も産め?!」 “働き方強要社会”に疲弊する女性たち
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130501/247466/
【記事抜粋】
「女性はしっかり子育てをしろ!」と言われているのか? それとも、「子育ても仕事も、両方やれ!」と言われているのか?
先日、安倍晋三首相が働く女性たちの支援策として打ち出した、「3年間抱っこし放題(育児休暇を3年まで延長)」プランに対して、疑問、異論、反論が巻き起こっている。
【抜粋終了】
・こちらに対する私の見解 → 女性が育児をがんばれるような施策はどんどんやるべき
■日本の人口事情から見える政府の言い分
出生率が下がり続ける限り、日本の労働人口は今後大きく減少する事が明確です。
(http://www.jil.go.jp/institute/kokusai/documents/agingpolicy.pdf等を参照)
そして、この問題への直近の対策としては「労働年齢の延長」「外国人労働力や女性労働力の増加」、もしくは「労働付加価値の増強」しかないことは、これまた明確です。
年金受給開始年齢の引き上げや、65歳定年制の導入は既に現実のものとなり、次は外国人労働力と女性労働力を増やしてゆくという動きが活発です。
先日、ユニクロが「全世界同一賃金」を打ち出した背景には、こういった目前の危機への焦りが垣間見えるわけです。
一方、この問題を中長期でとらえてみると、出生率の増加という対策を取ることが必須となります。
つまり政府の見解としては、記事中にある通り「子育ても仕事も、両方やれ!」ということになるのかなと思います。
ただ、それを要求するにはあまりにも社会的な基盤が整っていないと感じます。
■無茶ぶりは価値観を多様化させる
以前の記事(http://ameblo.jp/koyo-fp/entry-11525397154.html)でも書いた通り、日本はまだまだ「人に仕事がついている」という状態です。
むしろ、現状の育休制度取得を後押しするような制度作り(多能工、ジョブローテーション、ワークシェアリング等)を通じて、育休の取得、及び復帰をスムーズにできる労働環境づくりを推進し、日本的労働環境を克服する方が先決であると思います。
ちなみに、このような「仕事と育児の両立」といった無茶ぶりを突き付けれらた女性(及び夫婦)は、どのような行動を取るでしょうか?
多分、「自分のスタイル」というものを見つけ出し、社会的な環境を取捨選択してゆくのではないでしょうか。
そういう意味で、私は今回のムーブメントが「自分(夫婦)にとって最も大切な価値はなんだろうか?」といった根源的な疑問に向き合うきっかけになるのではないかと思います。
今回の事をきっかけに、夫婦の在り方や仕事に対する価値観は今まで以上に多様化するのではないでしょうか。
■多様化することは本質と向き合うこと
東日本大震災以降、自分にとっての”本当の価値”を考える方が増えたように感じます。
またそうする事で、これまでは「ありえなかった」選択肢を選ぶ方も増えています。
今回の話題は、単に「育休」という話題に留まらず、「仕事とは何なのか?」とか「夫婦の在り方とは?」といった、もっと根本的なテーマに繋がります。
多様化した価値観からは色々な答えが出ると思いますが、企業や自治体には、それらをサポートできる柔軟性を期待したいところです。
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