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村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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鈴木 祥平
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村田 英幸
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閲覧数順 2017年04月27日更新

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2 遺産分割の手続

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相続

第4 遺産分割

1 遺産共有の暫定性

 相続開始後の遺産の共有は、遺産分割が行われるまでの暫定的なものです。すなわち、相続の開始によって共同所有となった相続財産を個別具体的に各相続人に帰属させる手続が民法上、用意されています。これを遺産分割といいます。

被相続人は、相続開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺言で遺産の分割を禁止することができます(民法908条)が、この分割を禁止する定めがない限り、相続人は、いつでも自由に遺産分割を請求することができます(民法907条1項)。その際、分割割合は、法定相続分を基本としますが、特別受益や寄与分が各人の相続分を算定する際の修正要素として機能することになります(特別受益や寄与分の調整を施して算出される遺産分割の割合を具体的相続分と呼びます)。

なお、被相続人が遺言で遺産分割の方法を指定することができます(民法908条)が、その際、その指定が各人の法定相続分に対応しないことがあります。この場合、相続分の指定を伴う遺産分割方法の指定と解釈されます(東京高判昭和45・3・30高裁民集23巻2号135頁、東京高判昭和60・8・27家裁月報38巻5号59頁、札幌高決昭和61・3・17家裁月報38巻8号67頁、中川=泉『相続法第4版』253頁)。

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(1)手続の流れ

 まず、遺言があれば、これに従い、遺言がない場合には、共同相続人間での協議となります(民法907条1項)。遺産分割協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、各共同相続人は、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てをすることができます(家事事件手続法244条)。遺産分割調停を行っても相続人間の話し合いがまとまらない場合には、家事審判手続に移行し、遺産分割が行われることになります(家事事件手続法別表第二の十二)。

(2)遺産分割の具体的方法

 遺産分割の具体的な方法としては、現物分割、換価分割、代償分割、用益権の設定、といったものが考えられます。

ア 現物分割

 現物分割は、相続財産を例えば、土地建物は長男、預金は妻、というように現在ある相続財産をそのままの状態で各相続人に分配する方法です。

イ 換価分割

 換価分割は、相続財産を全部または一部を任意売却または競売により処分して、その売却代金を各相続人に分配する方法です(家事事件手続法194条)。この方法は、現物分割が困難な場合や相続税捻出のために行われることもあります。

ウ 代償分割

 代償分割は、一人または数人の相続人が相続財産を現物で取得する代わりに、他の相続人に対して代償債務を負担させる方法です(家事事件手続法195条、196条参照)。この代償分割を使えば、後継者に相続財産を集中させることができます。もっとも、後継者に事業承継に必要な資産や株式を集中させると、その代償債務は膨大な金額となるのが通常です。しかも、他の相続人は可能な限り一括払いを望むと思われ、それが不可能で分割払いとなれば、代償金の支払いにつき担保を求めてくるでしょう。

エ 用益権の設定

 用益権の設定とは、相続財産である建物を妻の所有としておいて、長男が賃借する等して建物を利用する方法です。

(3)遺産分割の解除の可否

 一度、遺産分割がなされれば、債務不履行を理由とした解除を認めないのが判例です(最判平成元・2・9民集43巻2号1頁)。その理由は、第1に、遺産分割には遡及効があり(民法909条本文)、相続開始の時から遺産は協議内容に応じて各相続人に帰属していたことになりますから、協議自体の債務不履行は観念できないこと、第2に、解除を認めると遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ、法的安定性が著しく害されることにあります。

 遺産分割の手続

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