出版権と絶版(著作権法) - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月22日更新

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出版権と絶版(著作権法)

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出版権と絶版(著作権法)

 

出版権は、「著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利」(著作権法80条1項、2条1項15号)であって、著作物の印刷物等を流通過程におく権利である(著作権法81条参照)。出版権の設定は、登録しなければ第三者に対抗できない(著作権法88条1号)。

絶版の場合には、複製権者は、出版権者に対して催告の上、出版権を消滅させることができる(著作権法81条2号、84条)。また、出版権設定契約の定める日、または、出版から3年を経過した日のいずれか早い日に、出版権は消滅する(著作権法83条)。

なお、出版権設定にあたり、デジタル化の権利やインターネットでの利用、電子書籍などの特約を合わせておこなうことが多いが、本来、「出版権」とは関係がない。これらは、公衆送信権(著作権法2条1項7号の2)、送信可能化権(著作権法2条1項9号の5)、データベース(著作権法2条1項10号の3)への複製権などであり、別途、使用料を請求できるはずである。

平成24年著作権法改正により、国立国会図書館により絶版本について、複製をして研究者等へ各人1部提供することが認められた関係で(著作権法31条3項)、出版界では、絶版本について、オンデマンド方式での出版、書籍のデジタル化が、より促進されると思われる。

 

第2条1項(定義)

七の二 公衆送信 公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には、同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。

八  放送 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。

九の二 有線放送 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。

九の四 自動公衆送信 公衆送信のうち、公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。

九の五 送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。

イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。

ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。

十の三 データベース 論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。

十五 複製  印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。

イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。

ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従って建築物を完成すること。

十八 口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。

十九 頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあっては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。

 

 

  第三章 出版権

(出版権の設定)

第79条 第21条に規定する権利を有する者(以下この章において「複製権者」という。)は、その著作物を文書又は図画として出版することを引き受ける者に対し、出版権を設定することができる。

2  複製権者は、その複製権を目的とする質権が設定されているときは、当該質権を有する者の承諾を得た場合に限り、出版権を設定することができるものとする。

 

(出版権の内容)

第80条 出版権者は、設定行為で定めるところにより、頒布の目的をもって、その出版権の目的である著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利を専有する。

2  出版権の存続期間中に当該著作物の著作者が死亡したとき、又は、設定行為に別段の定めがある場合を除き、出版権の設定後最初の出版があった日から3年を経過したときは、複製権者は、前項の規定にかかわらず、当該著作物を全集その他の編集物(その著作者の著作物のみを編集したものに限る。)に収録して複製することができる。

3  出版権者は、他人に対し、その出版権の目的である著作物の複製を許諾することができない。

 

(出版権者の義務)

第81条 出版権者は、その出版権の目的である著作物につき次に掲げる義務を負う。ただし、設定行為に別段の定めがある場合は、この限りでない。

一  複製権者からその著作物を複製するために必要な原稿その他の原品又はこれに相当する物の引渡しを受けた日から6月以内に当該著作物を出版する義務

二  当該著作物を慣行に従い継続して出版する義務

 

(著作物の修正増減)

第82条 著作者は、その著作物を出版権者があらためて複製する場合には、正当な範囲内において、その著作物に修正又は増減を加えることができる。

2  出版権者は、その出版権の目的である著作物をあらためて複製しようとするときは、そのつど、あらかじめ著作者にその旨を通知しなければならない。

 

(出版権の存続期間)

第83条 出版権の存続期間は、設定行為で定めるところによる。

2  出版権は、その存続期間につき設定行為に定めがないときは、その設定後最初の出版があった日から3年を経過した日において消滅する。

 

(出版権の消滅の請求)

第84条 出版権者が第81条第一号の義務に違反したときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。

2  出版権者が第81条第二号の義務に違反した場合において、複製権者が3月以上の期間を定めてその履行を催告したにもかかわらず、その期間内にその履行がされないときは、複製権者は、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。

3  複製権者である著作者は、その著作物の内容が自己の確信に適合しなくなったときは、その著作物の出版を廃絶するために、出版権者に通知してその出版権を消滅させることができる。ただし、当該廃絶により出版権者に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償しない場合は、この限りでない。

 

(出版権の制限)

第86条 第三十条第一項(第三号を除く。次項において同じ。)、第三十条の二第二項、第三十条の三、第31条第一項及び第三項後段、第三十二条、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条の二第一項、第三十四条第一項、第三十五条第一項、第三十六条第一項、第三十七条第一項及び第三項、第三十七条の二、第三十九条第一項、第四十条第一項及び第二項、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項並びに第四十六条から第四十七条の二までの規定は、出版権の目的となっている著作物の複製について準用する。この場合において、第三十条の二第二項、第三十条の三、第三十五条第一項、第四十二条第一項及び第四十七条の二中「著作権者」とあるのは、「出版権者」と読み替えるものとする。

2  前項において準用する第三十条第一項、第三十条の三、第31条第一項第一号若しくは第三項後段、第三十三条の二第一項、第三十五条第一項、第三十七条第三項、第三十七条の二本文(同条第二号に係る場合にあっては、同号)、第四十一条から第四十二条の二まで、第四十二条の三第二項又は第四十七条の二に定める目的以外の目的のために、これらの規定の適用を受けて作成された著作物の複製物を頒布し、又は当該複製物によって当該著作物を公衆に提示した者は、第80条第一項の複製を行ったものとみなす。

 

(出版権の譲渡等)

第87条 出版権は、複製権者の承諾を得た場合に限り、譲渡し、又は質権の目的とすることができる。

 

(出版権の登録)

第88条 次に掲げる事項は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。

一  出版権の設定、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。次号において同じ。)、変更若しくは消滅(混同又は複製権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

二  出版権を目的とする質権の設定、移転、変更若しくは消滅(混同又は出版権若しくは担保する債権の消滅によるものを除く。)又は処分の制限

2  第78条(第三項を除く。)の規定は、前項の登録について準用する。この場合において、同条第一項、第二項、第四項、第八項及び第九項中「著作権登録原簿」とあるのは、「出版権登録原簿」と読み替えるものとする。

 

 

(図書館等における複製等)

第31条 国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この項及び第三項において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。

一  図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあっては、その全部。第三項において同じ。)の複製物を一人につき一部提供する場合

二  図書館資料の保存のため必要がある場合

三  他の図書館等の求めに応じ、絶版その他これに準ずる理由により一般に入手することが困難な図書館資料(以下この条において「絶版等資料」という。)の複製物を提供する場合

2  前項各号に掲げる場合のほか、国立国会図書館においては、図書館資料の原本を公衆の利用に供することによるその滅失、損傷若しくは汚損を避けるために当該原本に代えて公衆の利用に供するため、又は絶版等資料に係る著作物を次項の規定により自動公衆送信(送信可能化を含む。同項において同じ。)に用いるため、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第三十三条の二第四項において同じ。)を作成する場合には、必要と認められる限度において、当該図書館資料に係る著作物を記録媒体に記録することができる。

3  国立国会図書館は、絶版等資料に係る著作物について、図書館等において公衆に提示することを目的とする場合には、前項の規定により記録媒体に記録された当該著作物の複製物を用いて自動公衆送信を行うことができる。この場合において、当該図書館等においては、その営利を目的としない事業として、当該図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、自動公衆送信される当該著作物の一部分の複製物を作成し、当該複製物を一人につき一部提供することができる。

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