3 相続税額の計算 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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3 相続税額の計算

 まず、各相続人が法定相続分で相続したものと仮定して、各人の税額を計算したうえで、これらを合計します。

法定相続分に応ずる

課税遺産総額
税率
控除額

1000万円以下
10%


3000万円以下
15%
50万円

5000万円以下
20%
200万円

1億円以下
30%
700万円

3億円以下
40%
1700万円

3億円超
50%
4700万円

 次に、当該合計額を各人の各取得財産額に応じて按分して各人の税額を算出します。

 最後に、各人の税額について各人の個人的事情を考慮した各種税額控除等を行い、実際の納付税額を確定します。各種税額控除等のうち代表的なものは以下の通りです。以下の他、外国税額控除もあります。

贈与税額控除

暦年課税に関する贈与税額の控除(相続税法19条、相続税法施行令4条))

相続時精算課税に関する贈与税額の控除(相続税法21の15、21の16)
暦年課税制度や相続時精算課税制度の適用がある場合、贈与を受けた年において課された贈与税に関して相続税との二重課税の調整を図るため、贈与税額控除の規定がある。

配偶者控除

(相続税法19の2、相続税法施行令4の2、相続税法施行規則1の2)
配偶者は、相続により取得した財産が1億6000万円以下または法定相続分以下のいずれかである場合には、相続税は課税されない。

未成年者控除

(相続税法19の3、相続税法施行令4の5)
未成年者は、以下の額を相続税額から差し引くことができる。

(20歳-相続開始時の年齢)×6万円

障害者控除

(相続税法19の4、相続税施行令4の4)
納税者自身または控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができる。

控除できる金額は障害者一人について27万円で、特別障害者に該当する場合は40万円になる。

相次相続控除

(相続税法20条)
被相続人が、今回の相続(第2次相続といいます。)の開始前10年以内に開始した相続(第1次相続といいます。)により財産を相続している場合に適用される。

この規定の適用がある場合には、以下の額を相続税額から差し引くことができる(注)。

(注)算式中の符号は、次の通りである。


第二次相続に係る被相続人が第一次相続により取得した財産(当該第一次相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含みます。)につき課せられた相続税額(相続時精算課税の適用を受ける財産につき課せられた贈与税があるときは、当該課せられた贈与税の税額(法第21条の8の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税および重加算税に相当する税額を除きます。)を控除した後の金額をいいます。)


第2次相続に係る被相続人が第1次相続により取得した財産(当該第1次相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含みます。)の価額(債務控除をした後の金額)


第2次相続により相続人および受遺者の全員が取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含みます。)の価額(債務控除をした後の金額)


第2次相続により当該控除対象者が取得した財産(当該相続に係る被相続人からの贈与により取得した財産で相続時精算課税の適用を受けるものを含みます。)の価額(債務控除をした後の金額)


第1次相続開始の時から第2次相続開始の時までの期間に相当する年数(1年未満の端数は切捨て)

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