- 中村 英俊
- 株式会社第一広報パートナーズ 代表取締役 広報コンサルタント
- 東京都
- 広報コンサルタント
対象:広報・PR・IR
- 中村 英俊
- (広報コンサルタント)
- 中村 英俊
- (広報コンサルタント)
良いこと(だけ)を言いたい、できるだけよく見せたいとは広報や販売促進部門に携わっていれば誰しも思うもの。
ましてや広告なら100%自身の主張ができるため、マイナス部分には触れず良い部分を前面に出した訴求が多いのは一般的といえます。
しかしそこに説得力、信憑性などがあるかは別の話。
最近始まったソフトバンクのCM。
前身のVodafone時代からのイメージも手伝ってか、斬新な料金プランやiPhoneの導入などで契約数純増NO.1を継続し、かつてはドコモが半数以上のシェアを維持し圧倒的な立場であった業界に風穴をあけ、今や業界2位も目前という状況にありながらも、”電波が弱い”というイメージを払拭できずにいた。
そこで今回のCMでつながりやすさNO.1になったことを訴求。
ソフトバンク的には万感の想いであり、本心では声高にアピールしたかっただろうことは容易に想像できるが、気になったのはその表現法。
スマホ通話接続率、スマホパケット接続率共に今回が初の一位ではない。
(以前猫も杓子も顧客満足度調査1位などとCMを打っていたものに比べ謙虚)
しかも素直に1位になったと表現するわけでなく、1位になったりならなかったりなど安定的な1位ではないというマイナス面をきちっと表現し、未だ改善中というような正にグラフの実態通りを表現した。
単に1位になったことだけを伝えていれば、本当にそうなのかという疑問や不信感を与えていたかも知れない。またかつての印象からユーザーから反感を抱かれた可能性も否定できない。
しかし敢えてマイナス面を出し表現したことで、
・情報に信憑性がある
・ダントツではないものの1位(少なくとも他社と同様)
・謙虚に継続的に改善努力をしている
・ソフトバンクは信用できる
・企業としての安定感
・顧客満足度に注力(単に契約数を上げれば良いとは考えていない)
などがよく伝わったと言えます。しかも白戸家の面々による柔らかな表現にも好感。
久々に気持ちの良いCMを見た気がします。
如何に売るか、如何にアピールするかは重要ですが、情報の信憑性、企業姿勢という側面も意識していく必要があるのではないでしょうか?
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