- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
前回のブログでは、アベノミクスにより進む円安と株高、2%の物価目標から、物価が高騰することが予想される中、事業を継続するには、売上のアップか、経費節減か、を取り上げてみました。
前回は、その中でも、物価高騰や消費税のアップに対して、できる経費節減の範囲に限界があり、最優先に売上を伸ばさなければ、事業の継続は難しいということで、売上アップのための方法について、飲食業界を例に挙げ、述べてみました。
では、経費節減は不要か、というとそうではありません。
経費節減は、景気の良し悪しに関係なく、日常的に意識しなければ、事業継続は難しくなります。
では、経費節減の方法には、どんなものがあるか。
どうやって実施するのか、前回同様に個人飲食店を例に、私なりの意見を述べたいと思います。
まずは、できるだけ細かい売上分析が必要です。
中小、零細の事業者の多くを見ると、今月の売上、かかった経費は仕入れ、もしくは支払金額が確定してから判断しているようです。
それも、1ヶ月、2ヶ月後に集計したものを診ている、という具合です。
いわゆる「どんぶり勘定」です。
これでは、なかなか無駄な経費を節減することは難しいでしょう。
大事なことは、可能な限り、損益は短い期間で集計することです。
今日の売上、来店者数、注文メニュー数、時間帯別来店者数・オーダー数、仕入れ、在庫(営業前と後)ぐらいは、毎日、実施すべきです。
その時の天候や周囲でのイベントなどを記録しておくことも重要です。
要は、予測と結果の差を無くすこと、です。
飲食店の場合、無駄な経費は、廃棄ロスと人件費(暇を持て余している店員の時間)の比重が非常に高いことです。
それを詳細に把握するためには、日々のデーターの積み重ねと検証をしなければ、無駄な経費を削減できません。
あるお店では、電気代を削減するために、店の中の電灯を半分にするとか、冷暖房を切るとかを実施しているのを見かけますが、これは本末転倒な節減策と言わざるを得ません。
もし仮にお客様の立場になったら、暗い店内に入ろうと思いますか。
ましてや、寒い日や暑い日に、外と変わらない室温の店に入ろうと思いますか。
もちろん、省エネは、一般に理解されていますが、それでも程度問題があります。
ましてや、経費節減のために、汚れた看板やヒビ割れた窓ガラスなどを放置するのは言語道断です。
また、仕入れ単価を下げることも重要ですが、品質を落としてはもともこもありません。
よく飲食店経営者は、「うちはおいしい」と言われますが、飲食店なら当り前のことです。
味を落とさず、注文が多いメニューを充実させることは、常に意識しなければなりません。
新規客、再来店客を増やす(ために時間と投資する)ことを忘れては、売上アップにつながりません。
廃棄ロスを無くす、暇を持て余す時間を無くすことは、経費節減には欠かせません。
この両方を意識しなければ、事業の継続が出来ないのは当然のことです。
これは、全ての業界でも通用することだと確信しています。
事業の内容見直しについてのご相談は、お気軽にどうぞ。
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