- 山本 憲宏
- 山本公認会計士事務所 所長
- 滋賀県
- 公認会計士
対象:会計・経理
今日も引き続き、「中小会計指針」の本文の抜き出しです。
今日は「各論」の本文の抜き出しです。
「金銭債権」「貸倒損失・貸倒引当金」「有価証券」「棚卸資産」「経過勘定等」の項目の本文の抜き出しを行います。
【各 論】
金銭債権
・金銭債権とは、金銭の給付を目的とする債権をいい、これには、預金、受取手形、売掛金、貸付金等が含まれる。
・金銭債権には、その取得価額を付す。
・金銭債権の取得価額が債権金額と異なる場合は、取得価額と債権金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額とする。
・デリバティブ取引がある場合、その正味の債権は、時価を貸借対照表価額とし、評価差額は、当期の損益として処理する。
貸倒損失・貸倒引当金
・受取手形や売掛金等の債権が法的に消滅した場合のほか、回収不能な債権がある場合は、その金額を貸倒損失として計上しなければならない。
・貸倒引当金は、以下のように扱う。
(1) 金銭債権について、取立不能のおそれがある場合には、取立不能見込額を貸倒引当金として計上しなければならない。
(2) 取立不能見込額については、債権の区分に応じて算定する。財政状態に重大な問題が生じている債務者に対する金銭債権については、個別の債権ごとに評価する。
(3) 財政状態に重大な問題が生じていない債務者に対する金銭債権に対する取立不能見込額は、それらの債権を一括して又は債権の種類ごとに、過去の貸倒実績率等合理的な基準により算定する。
(4) 法人税法における貸倒引当金の繰入限度額相当額が取立不能見込額を明らかに下回っている場合を除き、その繰入限度額相当額を貸倒引当金に計上することができる。
・貸倒引当金の計上は、差額補充法によることを原則とし、法人税法上の洗替法による繰入額を明らかにした場合には、法人税法に規定する洗替法による処理として取り扱うことができる。
有価証券
・有価証券(株式、債券、投資信託等)は、保有目的の観点から、以下の4つに分類し、原則として、それぞれの分類に応じた評価を行う。
(1) 売買目的有価証券
(2) 満期保有目的の債券
(3) 子会社株式及び関連会社株式
(4) その他有価証券
・有価証券は、「売買目的有価証券」に該当する場合を除き、取得原価をもって貸借対照表価額とすることができる。ただし、「その他有価証券」に該当する市場価格のある株式を多額に保有している場合には、当該有価証券は時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額(税効果考慮後の額(第61 項参照))は純資産の部に計上する。
・市場価格のある有価証券を取得原価で貸借対照表に計上する場合であっても、時価が著しく下落したときは、将来回復の見込みがある場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は特別損失に計上する。
棚卸資産
・棚卸資産には、商品又は製品、半製品、仕掛品、主要原材料、補助原材料、消耗品で貯蔵中のもの、その他これらに準ずるものが含まれる。
・棚卸資産の取得価額は、取得の態様に応じて購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算する。ただし、少額な付随費用は取得価額に加算しないことができる。
・棚卸資産の期末における時価が帳簿価額より下落し、かつ、金額的重要性がある場合には、時価をもって貸借対照表価額とする。この場合の時価は、正味売却価額をいう。
・棚卸資産の評価方法は、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法等、一般に認められる方法とする。なお、最終仕入原価法も、期間損益の計算上著しい弊害がない場合には、用いることができる。
・棚卸資産について、災害等による時価の下落に応じて簿価を切り下げ、かつ、その金額について重要性があるものについては、注記等により帳簿価額切下額を表示することが望ましい。
経過勘定等
・前払費用及び前受収益は、当期の損益計算に含めず、未払費用及び未収収益は当期の損益計算に含めなければならない。
・前払費用、前受収益、未払費用及び未収収益等については、重要性の乏しいものは、経過勘定項目として処理しないことができる。
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