「花回廊/風龍」の話 - ドラム・打楽器 - 専門家プロファイル

山澤 洋之
打楽器 マリンバ 演奏・指導 作曲 音楽大学講師
音楽家

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対象:楽器レッスン

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「花回廊/風龍」の話

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コラムという事で何を書こうか毎回悩むのですが。今日は曲のお話。

この曲は初めての「出版のための」曲で、初演こそ打楽器集団「男群」の広島公演ですが、
それはいわば「ついで」のようなもので、JPCCDに入れるための曲として書き下ろしました。
そんな経緯があって、いつものように「演奏者の顔」がみえない状態での作曲は非常に苦戦しました。が、最近はもう慣れっこですね。
この時点では、すでに雪月花構想があったので、花か雪に関する曲を書くということはきまっていたものの、
あまりに漠然としてなかなか書き始めることができなくて苦戦しました。。。
花回廊という言葉が出てきたころには、「彩」の「夜桜」とは違うタイプの
「桜」に関する曲を書きたいなぁと思っていたので、
桜の花びらが風に舞う姿からそれの変容をモチーフとした前半部を作ることになった。
書き出しと編成が決まるとかなり早いペースで曲がでてきてしまうのもいつものことです
桜舞い散る風景が頭の中にでてくるとあっという間に最後までかけてしまいました。


演奏上のアドバイスですが、この曲はあまり、強弱やクレッシェンドを細かく設定せずに書いています。

ほとんど真っ白ですよね~(汗)
しかしながら、たとえば出だしのように「変化」しているパートがある場合は
その変化がわかるように差異を付けたほうがよいと思います。

次の人が入ってくるときには気持ちおさえてあげる。

「今何を聞かせているのか」を観客に伝わるようにしましょう。
また、突然挿入される変拍子はすこしアクセント気味に強調させるとよいと思います。
どうしても打楽器アンサンブルは「フォルテ」ばかりのうるさい作りになってしまいますが、
「引き算」的な考え方ですこし響きをすっきりさせてみましょう。
月迷宮を出版したときのまわりの反応や、楽器会社の人の話から
「チャイム」と「銅鑼」を抜いた編成になっていますが、
後半部にヴィブラフォンのパートの人がやっているシンバルの半分を銅鑼にするとよいと思います。(シンバル→銅鑼→シンバル→銅鑼と交互にします)


また、後半にマリンバとシロフォンが前半のパートを演奏して、
ヴィブラフォンと打楽器が後半の部分を演奏している部分ではヴィブラフォンと打楽器を<>という作り、
シロフォンとマリンバを><という作りにしてクロスさせると面白いです。
そのあとの追いかけっこは実は打楽器が主役です。次の3/8の前でブレイクをとってもおもしろいでしょう。
最後は早さか強さを変化させるとたんなる繰り返しにならずに単調にならずにすむと思います。
シロフォンに余裕があったら4本にしてみても楽しいですね。

想像力を創造力に変えてみなさんの個性溢れる演奏をいつも楽しみにしています。

 

この曲、打楽器曲ではありえないほど演奏される機会に恵まれ、本当に感謝しています。

やはり、ぱっと聞いた感じ、楽譜を見た感じではわからないと思いますが

5秒以上同じ感じにならないように気を付けて楽譜から読み取れる変化をすると

良いと思います。

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