外食産業とプロフェッショナリズム

　「神楽坂」というと、料亭やレストランなど

飲食の街といったイメージをお持ちの方も多いかと想います

　うちのスタジオの周りにも、ミシュランの星を持っているお店がいくつかあり、

１Km圏内には500店舗あるなんてことをTVで耳にしたことがあります

　僕は日頃お弁当を持っていくことが多いのですが、

週に何度かはランチをしたり、打ち合わせでカフェに行ったりすることも多々あります

　お客様に「どこか良いお店ない？」って聞かれた時に

いくつかおススメ出来る様に、お昼を中心に巡っています

（基本的に僕はお酒を飲まないので、夜はあまり行かないのですが）

個人的には和食を中心とした、玄米や十穀米などが選べるお店がお気に入りです♪

　神楽坂はこんな感じの石畳になっている素敵な路地が多く

　先日も路地に入ったお店がランチをやっていたので

食べに行ってみました

　和食系の洒落た感じの居酒屋？なのですが、

中に入るとオープンキッチンになっていて、料理をしている所などが良く見えます

　色々と迷った挙句

家だとなかなか魚を食べる機会が少ないので、

サバの定食に決定！！

　オーダーを伝えると、すぐさま創り始めてくださいました

出てくるのを待っている間、どんな風に創っているのかな？と

本を読みながら、チラチラと見ていましたが

なぜかとっても気だるそうな感じで料理をしている・・・・・・

　これって、僕にとってはスゴク衝撃的で

プロの料理人って、料理が好きで、その料理で誰かに喜んで欲しいから

料理人になったんじゃないのかな？と

　目の前で一生懸命料理を創ってくださる光景を見ていたら

その料理を食べる時に、それだけで美味しさ1.5倍じゃないですか

　でも、目の前で気だるそうに創られている姿を見て、

自分の前に出されても、美味しさ半減ですよね！！

　そして、個人的に問題だなと感じたのは、

スグ近くにそのお店のオーナーらしき方が仕込みをしていましたが

その光景を見ても、何も注意をしないんですよね

きっと、それがそのお店では「普通」になってしまているのでしょう・・・・・・

　以前、六本木ミッドタウンの鎧塚さんが経営をされる

「Toshi Yoroizuka」に行った時

（Toshio　じゃいないのが残念ですが（笑））

ちょうど鎧塚さんがいらっしゃって、目の前でスイーツを

創ってくださいましたが、その集中力というか、

真剣さやお客様に対する接し方、挨拶の仕方

スタッフへの指示や指導などは超一流ってこういうことを言うんだな～と

　僕ら客側の空間はゆったりとした空気が流れていますが、

カウンターから向こうは柔らかいけれど、ピーンと張りつめた空気、

心から感動しました！！

これがこのお店の「普通」なんでしょうね

　そして、せっかく鎧塚さんがいらっしゃったので

「こうしてカウンターに入って、お客様にスイーツを提供できる様になるまでに

どれくらいかかるのですか？」と質問をさせて頂いた所

「だいたい平均して２～３年くらいです」と教えてくださいました

（もし僕の記憶違いでしたらすいません）

　僕らの業界はお客様の運動指導を行ったり

身体に触れる様になるまでにどれくらいが平均なのでしょうか？

僕らは身体や運動に関する高度専門職

あちらは菓子に関する高度専門職・・・・・・・・

　モノが売れなくなったり、売上が伸び悩んでいたりすると

やれ不況だとか、平均年収が下がっているからだとか

スグに環境のせいにしたりすることが多いですが

どんなに不況だろうと、爆発的に売れているものはあるし、

この寒空の中、何時間も待つ飲食店もあるのです

ほとんどは、僕ら提供者側の問題なんですよね！！

　自分が属する業界や、自分のお店、働き方に関する「普通」を

常にお客様の目線で、見直し続けることの難しさ

そして、大切さを改めて感じた出来事でした

としお