- 下村 豊
- 株式会社CSプランナー 代表取締役
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
記事によると、マクドナルドの「ENJOY!60秒サービス」について、賛否がネットで炎上しているらしい。
私も、先週の日曜日、マクドナルドに子供と出かけ、砂時計を前にした店員の姿を見て、「正直、ここまでやるか!」と思った。
2005年業績不振だったマクドナルドのCEOに就任し、業績を急回復させた原田会長兼社長に対して、考えが浅く知識も劣る私が軽々に言うことではない。
十分に考えがあって、行っているのだろう。
何もやらないより、やることが重要だ。
詳細を知らない部外者が、論評するのは控えるべきだと思う。
結果は、キャンペーンが終った後の業績発表を待つべきだろう。
今回は、ここまで話題になった一過性の現象で、伸びるかもしれない。
そう判断したなら、常態化したときに判断すべきことだろう。
私は、違った面から、この「60秒キャンペーン」を考えてみたい。
まず、パートナーである店員は、今回のキャンペーンの意味合いを十分に理解できているのだろうか。
どう捉えているのだろ。
そして、私が考えている本来の仕事の仕方、楽しんで接客ができているのだろうか、と問いかけしてみたくなる。
学生アルバイトが多いパートナー店員に、その答えを求めるのが無理ならば、店長に聞いてみたい。
店長は、どのような言葉で、この「60秒キャンペーン」をパートナー店員さんに伝えたのだろうか。
これは、マクドナルドの問題だけではありません。
コンビニ始まり、牛丼各社のチェーン店、はては大手スーパーマーケットなど、各接客チェーン店のマニュアル教育に通じることである。
これも、以前のブログで述べたことであるが、「○○作って、心、ここにあらず。」ではないか。
現実に、東京、大阪、名古屋、ここ京都でも、コンビニの店員に、急激に中国人が増えている。
その方達も一生懸命に接客をしていて、悪い気はしない。
しかし、それとは同時に、「どこでも構わない。」という気持ちを抱かせているのも事実である。
また、牛丼会社では、吉野家の「うまい、安い、はやい。」が、一時期、話題になったことがあり、それを真似ているのではないか、と感じている。
ある時、テレビで、すき家の社内研修のようすを見たときには、その徹底振りには驚いた。
しかし、仕事がら、営業の移動中に立ち寄る牛丼三社の各店で、店に入った途端の「いらっしゃいませ。」が聞こえないや待たせる店も、数少なくないのも現実だ。
大手スーパーマーケット、これも以前のブログで述べたが、相変わらず、商品の補充のために商品棚の前に、ワゴン車を置き、取りたい商品を取りにくくしている店が多い。
さらに、補充要員の社員は接客しなくても良いのか、「いらっしゃいませ。」の言葉もない。
あえて、その補充要員の社員の方を弁護すれば、接客より棚の欠品の方が重要なのだろう。
これが、今の日本の病巣の表れではないか。
それを証拠に、前述の業種だけではない。
大型家電量販店で、その展示品の商品の問合せに、まともに応えられない店員。
ファミリーレストランで、何度もオーダーを聞き返す店員。
自動車ディラーに来店されたお客様に対して、無言の受付社員。
何が欠けているのだろうと考えてみた。
それは、「どう対応すれば、喜んで頂けるのだろう。」と一人ひとりの顧客の立場をおもんばかる思想だ。
このおもんばかるが難しいのも事実である。
これは、一長一短には、改善できることではない。
なぜなら、今まで、私たちは、自分を中心に考える社会に育ってきた。
生まれてから社会人になるまで、自分のことだけを考えれば良い生活をしてきた。
学校の成績、自分が良ければ良いのだ。
他人、それが友達であっても、関心はない。
勘違いをして欲しくない。
それが悪いと言っているのではないのです。
それを前提とした社員教育が重要であるということだ。
マニュアルも否定しているわけでもない。
マニュアルと同時に、お客様に対する感謝の気持ちを、会社全体で教えることが最重要課題になっているのだ。
これは、会社の経営すべてに言えることでもある。
社員教育、組織構築についてのご用命は、お気軽にご相談下さい。
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