相談会の効用。
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- 公開日時
- 2013/12/15 11:24
相続税制の改正を前に各士業による相談会があちこちで開催されています。今回の改正は、基礎控除が4割減(縮小)され5千万円が3千万に、相続人1名1千万円が600万円になるという大幅なものです。相談会によっては、遺言書作成指導を含めた内容のものもあり自筆証書遺言作成の指導と称して法外な金額を要求したり、遺言執行者に関連団体を指定させるような悪質なものもあります。
確かに今回の改正では都心に不動産を持たれている方も課税対象になる可能性が高くなり、相続税の負担軽減に関心を持たれるのは当然です。しかし、1回の相談とその場の雰囲気で即依頼というのは控えて下さい。まずは、自分の死後に争いを生じさせないように、しっかりと自分の意志を反映させた遺言を作成されることが肝要です。そのためにはご自分の考えをおまとめになって、複数の士業に相談されるのも方法です。遺言はできれば公正証書遺言を作成されることをお勧めします。公正証書遺言を作成するにあたっては、ご自分の財産の洗い出しや親族関係の確認が必要になり、その中で今までのご自分の人生の振り返りができるかも知れません。ご自分の遺言書作成への思いを「付言事項」に記載して相続人に伝えることもできます。
どうしても自筆証書遺言にしたいということであれば、事前に士業に相談されることをお勧めします。自筆証書遺言は訂正方法も厳格であり、死後に家庭裁判所に検認を申し立てる必要があります。
相続税負担の軽減策も確かに重要ですが、ご自分の意思を残されたご家族にしっかり伝えることがさらに重要であると私は思います。それが死後の争いを防ぐ大きな鍵だと思います。
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