遺留分を放棄させたい
来年に結婚することが決まりました。現在、私には分譲マンションといくらかの現金と有価証券があります。 これらは、結婚する前に取得したものですので、私の身に何かあった場合には、親と姉妹に残したいと思っております。
結婚と同時に遺留分の放棄を相手にしてもらいたいと思っております。 どのような手続きをすればいいのでしょうか?
takayukimayuさん ( 愛知県 / 女性 / 32歳 ) | 2008/12/03 10:50
生前(相続開始前)の遺留分の放棄について。
takayukimayuさん、はじめまして。
行政書士の菊池浩一です。
まずはご結婚おめでとうございます。
ご結婚に際して、遺留分のお話はたまにございます。
ご相談の結論としましては、
生前の遺留分放棄は難しいと考えます。
なぜか。
法律手続き上、
遺留分を有する相続人(未来の旦那さま)は、
相続の開始前(被相続人であるtakayukimayuさんが生前中)に、
家庭裁判所の許可を得て、あらかじめ遺留分を放棄することはできます。
(申立先は、akayukimayuさんの住所地の家庭裁判所。)
ただし、
実際のところ、家庭裁判所の許可を得ることは難しいです。
専門用語になりますが、家庭裁判所の許可は、
◇遺留分の放棄の真意性がある(誰かに強要されていないか)とか、
◇遺留分権利者が遺留分を放棄することに客観的合理性がある場合
(遺留分権利者が既に多額の生前贈与を受けている場合や、
遺留分権など必要としない十分な資力がある場合等)
といった要件を充たした時になされます。
ですので、これから結婚生活を開始して共有財産を築いていく今回の
ケースで許可されるかは正直なところ微妙なラインだと思います。
もし、現在の分譲マンション、有価証券等を、
親と姉妹に残したい、ということでしたら、その旨を記載した
「公正証書遺言」をおすすめします。
遺言の中のメッセージに、夫に遺留分放棄をお願いしておくのです。
メッセージですので、法的な効力はないですが、
夫婦関係が良好であれば、そのメッセージを尊重してくれるでしょう。
takayukimayuさんは、きっと余分な争いがないようにと
ご配慮されているのだと思います。
もしそうでしたらなおさら、未来を築く大切なお相手と
遺留分の放棄を話し合うよりも、
ご自身の方でできることを考えて、その思いを
旦那さんに伝えておくことが大切だと思います。
詳細がわからないため大枠のお話になりました。
もしわからないことや具体的に聞きたいことがありましたら、
直接ご相談頂ければ、幸いです。