借地権の引き継ぎにかかる費用について

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  1. 遺産相続

70年以上借りている土地の賃借人は現在、父(90歳)です。母(84歳)は最後までこの土地で暮らしたいと申しており、父が先に亡くなった場合のことを心配しています。母は介護が必要ですので、私(長女)が通いで介護をする父を手伝っています。父母にはもう一人子(長男)がおりましたが、昨年亡くなりました。長男の事業(借金)のため、父母が長年にわたり資金援助をしており、そのため私と夫は父母を援助せざるを得ませんでした。長男は離婚しており、元妻のところに子(成人)がいますが、この子供たちが遺産相続の権利を放棄してくれない場合は、母が借地権を引き継げなくなる(お金を子供達に払うとなると私達夫婦にさらに負担をかける)ことを心配しています。贈与税よりも相続税の方が税金は低く抑えられると思うので、すぐに賃借人を変更しなくてもよいかとは思いますが、子供たちは父母が子供たちの父親のためにありったけのお金を渡してきたことも、父がそのために90歳近くまで仕事に就いていたことも、今の父母の生活状況(介護生活)も全く知りません。ですから、権利を主張することもあるかと思われます。父母は私を気遣って、今まで世話をして来た私に借地権を引き継げれば一番良いのだがと言ってくれています。しかし、借地人変更の費用や贈与税など考えると、今以上に出費をすることになるのではと、心配です。出来るだけ出費を抑えて、父と母がこのまま今の土地で暮らせるようにするには、どのようにしたら良いのでしょうか。良い方法(父の生前に母が継ぐ、私が継ぐ、父の遺産相続として母が継ぐ、私が継ぐ)がありましたら、お教えください。また、その方法をとる場合にかかる費用(税金も)がどれぐらいになるのかも、お教えください。
 借地は川崎市内 宅地230平方メートル、路線価格22万円/平方メートル。
 契約書には「土地貸借権の期限は平成17年より平成41年までの向こう24年間。特約事項 本契約は、昭和60年第5■1号公証契約の更新契約である。」とあります。
 70年も前から借りているので、定期借地権ではないと思うのですが、契約書中に「公証契約」という用語が気になります。 今後も契約が切れる前に更新すれば、この土地に住み続けることができるのかどうかもお教えください。また、借地人変更をした場合に、どこか役所に届けるのかも教えてください。
 長くなりましたが、何卒ご教授下さいますよう、お願い申し上げます。

ご回答させていただきます。

(5.0) | 2014/09/03 14:10

まず、法定相続人が、お母様(2分の1)、質問者の方(4分の1)、長男のお子様(各8分の1)となります。
とり得る方法の一つとして、お父様が、お母様ないし質問者の方に、全部遺贈するということで、遺言をしておく方法が考えられます。
ただ、長男のお子様には遺留分がありますので、お父様がお亡くなりになって後1年間は、各16分の1の範囲で、遺留分請求の権利行使は可能です。

公正証書遺言で作成するのであれば、作成費用は、数万円といったところかと思います。
亡くなった後に相続税がかかるかは、税理士に相談された方がよいでしょう。

>契約書中に「公証契約」という用語が気になります。
契約書の文言は関係ありません。借地契約です。

>今後も契約が切れる前に更新すれば、この土地に住み続けることができるのかどうかもお教えください。
はい、住みつづけられます。更新時に、賃貸人と話し合いのうえ、更新料を支払うのが一般的です。
ただ、建物がなくなると契約自体が目的を達して終了となります。建替え承諾料を支払って、建替えるなどの対応が必要でしょう。

>また、借地人変更をした場合に、どこか役所に届けるのかも教えてください。
役所への届出は、必要ありません。

評価・お礼

たゆりちゃんさん (2014/09/03 18:22)

 非常に分かりやすく説明いただき、ありがとうございました。回答とともに「遺留分請求の権利行使が可能なのは亡くなって後、1年間」という貴重な情報もいただきましたこと、お礼申し上げます。先生に頂きました回答を父母に伝えれば、「全部遺贈する」という遺言を父が書いてくれ、母も安心することと思います。
 弟の離婚後20年間、父母と弟の子供達は疎遠になっていますが、父母のどちらかが亡くなりましたときには、そのことを子供達に知らせて遺言があることも知らせなくてはならないのでしょうか。「亡くなって後、1年間」何のもめごとも金銭の心配もなく残された父か母が最期まで今の土地で穏やかに過ごすことができればと、願っています。
 早急にご丁寧な回答をいただきましたのに、再度の質問となり申し訳ございませんが、下記についてお教えいただけましたら、幸いです。よろしくお願い申し上げます。
 〇父母の死亡を子供達に知らせなくてはならないのでしょうか。
 〇公正証書遺言で遺言執行者を指定しても、子供達に知らせなくてはならないのでしょうか。

佐藤 嘉寅 佐藤 嘉寅 (2014/09/03 19:05)

正確にお伝えすると、遺留分減殺請求権については、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から、1年間行使しないときは、時効によって消滅するとされていて(民法1042条前段)。知らなかった場合でも、相続開始の時より10年を経過したときに時効によって消滅する(同法1042条後段)ことになります。
そのため、父母がお亡くなりになったことをお伝えしないと、10年間時効にかからないことになります。

また、遺言執行者は、遅滞なく相続財産の目録を作成して相続人に交付しなければならない(民法1011)とされていますので、どちらにしろ、法定相続人である子供たちに知らせることになるでしょう。

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