生前贈与について

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この長兄は他の3人の兄弟と以前から仲が悪く、最近では誰とも付き合っておりませんでしたが、この度叔母が亡くなりその財産(現預金で1億円程)を相続人(長兄、父、次兄の子供2人)4人で分割する話となりました。

ところが叔母が一番頼りにしていた次兄が4年前に亡くなってから叔母は特に唯一の甥である私の弟(40代)に将来お墓のことを含め面倒を見て貰うつもりだったらしく、そのことを念頭においた父が叔母から過去15年間に渡り総額600万円のお金(お恥ずかしい話ですが、父は自分のお小遣いが足りなくなると叔母に10万円位を何度も借りており、600万円はこれが積もり積もったものらしいのですが、600万円の中には私達兄弟3人への過分なお祝い金や、新しく家の内装を変えた際に借りていて後に返却したお金も含まれているらしいのですが、今となっては返却した証拠やお祝い金を貰ったことを示す証拠は我が家にはありません)を譲り受けていたことが叔母の死亡時に長兄に判明し、長兄から「これは生前贈与に該当するから父の相続分から差し引く」と言われました。

もちろん父が自分のポケットに入れたものであれば相続分から差し引かれるのは妥当かと思われますが、全て借りたものではないという父の主張と、実際お祝い金を貰っていた私としてはこの叔父の発言に異議を唱えたいのです。

このように貰ってしかるべきお金だったとしても(祝い金等)証拠がない貰ったお金は全て生前贈与とみなされてしまうのでしょうか?生前贈与は相続分から差し引かれることが妥当なのでしょうか?
また自分の将来を鑑み私の弟を頼りにすることを念頭に置いた叔母の父へのお金の受け渡しは贈与という言葉でやはり一括りになってしまうのでしょうか?以前「相手の生活を支えるための費用や定期的なお金のやり取り以外は贈与とは見なされない場合がある」という一文を見たことがあるのです。

また叔母と父とで造ったお墓のこれからの保存費用(賃貸しているお墓の敷地代、清掃代等)の半分は叔母の遺産から譲り受けることは出来ないのでしょうか(2人で作ったお墓のためあとの半分の費用は父が支払います)
これも叔父から「お墓は作ったものの財産に該当するから今後の保存費用は残ったもの(父)が負担すべき」と言われました。

判りにくい文章で申し訳ありませんが、お力をお貸し下さい。

特別受益となる生前贈与の範囲

(4.0) | 2010/11/13 08:31

生前贈与のお話ですが、その前に特別受益ということが問題になっていますね。
相続人の間でなくなった方から生前にもらっていたものがある人については、その分、相続分から引いて平等に分けましょうというもので、公平のための制度です。

ですから、生前贈与があればその分お父様の相続分は減ります。

では、どこまで生前贈与なの?ということになるでしょう。

結婚資金(結婚準備のためのお金や持参金など)とか住宅購入資金の援助とか、額の大きい学費援助などは特別受益になりますが、あまりまとまっていない金額の贈与で、お小遣いのようなもの、プレゼントは含まれないでしょう。

10万円を定期的に毎月もらっていたのはなく、叔母の気が向いたときにもらっていたなら、ちょっとしたお小遣いであったというようなこともできると思います。数十万円の学費補助みたいなものになると生前贈与ということになってしまうかもしれませんが・・・・。

「自分の将来を鑑み私の弟を頼りにすることを念頭に置いた叔母の父へのお金の受け渡しは贈与という言葉でやはり一括りになってしまうのでしょうか?」というご意見は、ごもっともだと思います。
ただ、何か弟さんに残したければ叔母様にて遺言を書くべきでしたし、そういう制度を民法が用意しているのに使わなかったのが残念です。

お子さんがいない方こそ、のこされた人のために遺言は必要なのですが忘れがちなのでしょうか・・・
たとえば、遺言で、父への生前贈与分を特別受益として相続財産に加えなくてもいいということを明言しておけば、今回のような問題は起きませんでした。

お墓については、民法は、遺言などで「祭祀の承継者」として指名した人が継承するものとされていますが、それがないわけですから、協議して承継者が決められることになりますね。
それでも決められない場合、最終的には家庭裁判所が決定することになります。

最終的には、遺産分割協議の中でこれにかかる費用も論点にしてきちんと協議して決めるべきでしょうね。協議がまとまらないなら家庭裁判所の調停がありますので、そちらで話合うことができます。弁護士をつけてもつけなくても使える制度です。

評価・お礼

kei2305さん (2010/11/23 16:45)

いただいた回答に対して評価が大変遅くなり申し訳ございませんでした。
先生の文章を改めて再度読み直すと過ぎてしまったことに対して伯母がなさなかったことへの残念さと、伯父達に言われて「それが常識であろう」と自分も納得していた部分が、実際の民法上では決定している訳ではないことを認識でき、今後数カ月は続くであろう相続問題への対処の仕方はやはり素人だけではままならないことを知りました。
本当にありがとうございました。

「生前贈与」の考え方

(5.0) | 2010/11/15 15:38

はじめまして。
神戸の弁護士の柿沼と申します。

1 おばさまからお父さんへの贈与について
 「これは生前贈与に該当するから父の相続分から差し引く」という長兄の意見については2つの問題があります。
(1) そもそも本当に生前贈与があったのか,そしてそれを長兄が証明できるのか
(2) 仮に本当に生前贈与があったとして,それが相続分から差し引かれる「特別受益」になるのか
 という2つです。

(1) そもそも本当に生前贈与があったのか,そしてそれを長兄が証明できるのか
 書いてらっしゃる事情を前提とする限り,600万円というものの中には,お父様が借りたお金,甥姪に対するお祝い金等いろいろなお金が含まれているようです。「借りた」お金であれば贈与ではありませんし,甥姪に対するお祝い金も当然,お父様に対する贈与ではありません。
 このような状況からすると,長兄において生前贈与を証明することは非常に難しいのではないかと思います。
 仮にその証明が出来なかった場合,最終的には生前贈与は無かったものとして扱われることになります。
(2) 仮に本当に生前贈与があったとして,それが相続分から差し引かれる「特別受益」になるのか
 仮に長兄が何らかの証拠を持っていて,贈与が証明できたとしても,それが全部「特別受益」に該当するわけではありません。
 法律上,「特別受益」に該当するのは「婚姻もしくは養子縁組のため」の贈与か「生計の資本として」の贈与に限られています。
 今回の場合,「婚姻もしくは養子縁組のため」の贈与にはあたりませんから,「生計の資本として」の贈与にあたるかどうかが問題にになります。
 この「生計の資本」としての贈与は,典型的な例としては,子どもが別世帯を持つために住宅やその他の財産の分与を受けた場合などがあるとされており,生計の基礎として役立つような贈与が含まれるとされています。
 したがって,そもそもお祝い金程度のものは含まれない,という考え方も成り立つでしょうし,なんらかの義務の履行を期待しての贈与(おっしゃっているような「自分の将来を鑑み私の弟を頼りにすることを念頭に置いた叔母の父へのお金の受け渡し」)であれば,特別受益に該当しない,ということも考えられると思います。
 

2 おばさまとお父さんとで造ったお墓のこれからの保存費用(賃貸しているお墓の敷地代、清掃代等)について
 確認なのですが,お墓そのものの建立費用の問題ではなく,これからの費用負担をどうするか,ということでよろしいですよね。
 そもそも,どなたの名義で賃借等されているのでしょうか。おばさま名義で賃借をしているのであれば,それは相続対象の義務ということになりますので,相続人全員で負担する,言い換えれば遺産からお金を出す,ということになります。
 お父さん名義で賃借しているのであれば,遺産から拠出して貰うのはなかなか難しいかもしれません。

3 まとめ
 以上いずれの問題についても,当事者間で協議をするだけではなかなか解決が難しいかもしれません。家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てて,お墓の費用の問題も含めて調停の手続内で話しをする方が,結局のところ早く解決する可能性が高いと思います。

評価・お礼

kei2305さん (2010/11/23 17:19)

いただいた回答に対して評価が大変遅くなり申し訳ございませんでした。
先生に回答いただきました内容を改めて読み直すと、私や伯父も含めて相続というのは視点を変えれば色々な解釈が出来るものだと改めて思いました。
今後数カ月は続くであろう相続問題への対処は我が家の窓口となっている私がどのくらい伯父達を説得出来るかにかかっているように思い大変気が重くなります。
しかし最終的には家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることによって法に則って解決していくことが親戚であっても最善の方法になるだろうと納得し少しだけ気が楽になりました。ありがとうございました。

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