吉本 彰夫(歯科医師)- コラム「保険診療は外科的な発想なのです(その3)」 - 専門家プロファイル

吉本 彰夫
噛み合わせ専門歯科。インプラント、矯正など質の高い治療を行う

吉本 彰夫

ヨシモト アキオ
( 香川県 / 歯科医師 )
医療法人社団 吉翔会 吉本歯科医院 院長 歯学博士
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保険診療は外科的な発想なのです(その3)

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歯科での保険治療と自由診療の違い 2014-05-30 10:45

ここでよくある質問なのですが

歯をまったく削らなくていいのか?

ということです。

 

歯は一部削ります。

削るのですが、従来的な歯を削る量とはまったく違うのです。

10分の1、もしくは100分の1程度しか削っていません。

 

削るんですか?

削らないんですか?

といえば削ります。

 

しかしながら削る量、程度がまったく違うのです。

では、薬で菌を殺すのに、なぜ歯を削らないといけないのか?

 

例えばよく、CMで流れています

「すみずみまできく・・・」というキャッチで流れています。

 

殺虫剤、ありますよね。

煙が薬効成分がいきわたることで部屋ごとばい菌や虫を殺そうという発想です。

 

イメージしてみて下さい。

 

家の扉や窓、

開けっ放し

窓全開

空気が入れ替わっているような状態

ここで、そういうお薬を使ってどうでしょう?

本当にその薬は部屋のすみずみまでいくでしょうか?

 

おそらくその間に部屋の外にもれ出て

むしろ、窓や戸のところに多く薬が流れ出てすみずみまではまったく薬が広がらないのではないでしょうか?

 

つまり

閉鎖空間

閉じ込めた空間

薬が漏れてないような

閉鎖環境を作る

 

これが薬が効くか効かないかの決定になるのです。

 

ですから

周囲、辺縁、封鎖するところが例えば柔らかかったらどうでしょう?

ばい菌だらけあったらどうでしょう?

 

ばい菌の入口のように穴があいてるわけですから

そこに封鎖をすることはできないのです。

 

ですから、例えば何かを張ると思って下さい。

 

のりしろがいりますよね。

 

そののりしろぶん、つまり外周の部分ですね。

 

ここは

一層削ってきれいな面を出すのです。

 

きれいな紙同士のりではったらくつきますよね?

濡れた紙同士、汚れた紙同士でだとすぐ剥がれちゃいますよね?

 

きれいな紙どうしではっつける必要があるのです。

 

外周一層だけはきれいな面を出して、そして

中にお薬を閉じ込めるような

閉鎖環境を作る

封鎖環境を作る

これが、薬を効かせるキーになってくるのです。

 

 

逆に言えば

これができない歯に関しては

薬で治すことはできないのです

 

例えば根っこが折れてる

根っ子の周りまで根っこの歯茎より下までバイキンが入り込んでいる

根っこが割れている

根っ子の健全な部分が歯茎よりも下になっている

その場合には封鎖することができません

 

閉鎖できない場合はやはり歯を抜かないといけないなどの治療になってしまうのです。

 

 

よく前の先生に治療してもらった方が吉本歯科医院にお越しになられます。

「神経に非常に近いのでこれが痛みがでたら神経を取らないといけないといわれた。

心配なので相談にきました。」

または

「痛みがではじめましたので、神経取りたくないの相談に来ました。」

 

という方がいらっしゃいます。

 

 

残念ながらその場合には薬で治す治療法はできないケースが多いのです。

なぜでしょう?

 

それは、乾かすことができないことがほとんどだからです。

神経に近い部位を既に治療が行なわれた場合

神経って、神経だけではないので、

 

神経には血液がいるんですね

栄養を送りますので。

 

神経を取ることは血管も一緒に取り除いてしまうということです。

 

つまり血液が

充満しているのです。

 

例えば水が入った風船

お祭りなどでありますね。

 

その風船に穴があきました。

 

風船は当然割れます。

水はどうなるでしょう?

 

バッシャーと飛び出てきますよね。

神経血管の場所を歯髄と言います。

 

入っている場所を歯髄腔と言います

 

歯髄腔を削って触ってしまった場合には何が起こるのか?

 

削った瞬間、目には見えないほどの

小さい穴があいてしまうのです

 

そこにはもう穴があいてしまいますからそこから目に見えない微量の出血をきたすのです。

 

出血をしているところに薬をおいたとしても

それは漏れてしまうんですね。

 

乾かすことができないんです。

 

ですから一度すでに削ってしまった場合には

この治療法は使えないのです。

 

逆に何も削っていない状態

ばい菌だらけの状態の方がよほど神経を残すことができるのです。

 

 

噛み合わせ専門歯科医院 香川県高松市 吉本歯科医院

http://www.8181118.com/

 

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