齋藤 進一(建築家)- Q&A回答「高気密・高断熱住宅の換気」 - 専門家プロファイル

齋藤 進一
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齋藤 進一

サイトウ シンイチ
( 埼玉県 / 建築家 )
やすらぎ介護福祉設計 代表
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ウレタン吹付の小屋裏の換気

住宅・不動産 住宅設備 2015/08/08 22:13

小屋裏の換気をしたいのですが、どうしたらよいかわかりません。

我が家はウレタン吹付で断熱してあります。小屋裏は屋根、天井、壁面にもウレタンが吹き付けてあり、小屋裏の空気は外にも室内にも出入りがなく、孤立した密閉空間になっています。
夏場は一度温度が上がるとなかなか下がらず、居住空間の方も温度が高くなりがちですし(気密性はあるので冷房はききます)、小屋裏の換気が全くされていないことが心配です。

パナソニックの屋根裏用の換気システムの導入を検討していますが、小屋裏に吸気口がないため換気を行うにはどこかに吸気口を開ける必要が出てくると思います。ですが、このシステムには本体と連動してダンパーが開閉するような吸気口などがなく、用途に応じて開閉式にするには別にそういうシステムを入れるか、常に空気の出入りがあるよう口をあけっぱなしの吸気口をつけるか、しかありません。口が開きっぱなしでは、梅雨時の湿気や冬場の冷気も入り放題になってしまいます。

どのようにしたら、孤立した空間になっている小屋裏を建物に負担を与えることなく、換気できるでしょうか・・・・
どうか良いアドバイスをください。よろしくお願いいたします。

kiyokiyotodさん ( 宮崎県 / 女性 / 39歳 )

高気密・高断熱住宅の換気

2015/08/09 10:43
( 5 .0)

はじめまして

高気密・高断熱住宅の断熱ラインは最上階の天井で、小屋裏は通常通り通気させる工法が一般的ですが、小屋裏まで設けているのは外断熱的発想の工法でハウスメーカーさんや工務店さんのオリジナルだと思います。

現在、保証期間中でしたら断熱層を弄ると保証が下りないケースがありますのでまずは施工された会社にお問い合わせください。

また、2007年あたりから建築基準法の改正で、24時間換気が可能な換気設備が設置義務化されており、宮崎県ですと自然吸気・機械排気の「第三種換気システム」が導入されていると思います。

各居室の換気量が計算され、機械排気量を設定するのですが、小屋裏に強力な排気システムを設けたり、自然吸気口を設けると家全体の吸排気バランスが崩れ、あらぬところから空気の流動音が出てしまったり、思いがけない場所が冬に結露してしまうがございます。

パナソニックの屋根裏用の換気システムの導入を検討されておられるということで、導入後の家全体の換気のバランスを設備屋さんや建築士さんに検討して頂くと安心ですね。

自然吸気口の自動ダンパー付タイプは防火・準防火地域などで火災時に閉じるタイプで、通常のは手動で閉じるタイプがありますが、小屋裏設置では意味がなくなってしまいますよね。

梅雨時の湿気や冬場の冷気の自然流入を防ぐには、寒い地域で使用されている機械吸気・機械排気の「第一種換気システム」が適しています。

ご参考まで

評価・お礼

kiyokiyotod さん

2015/08/10 21:45

具体的なアドバイス、本当にありがとうございます!「第一種換気システム」さっそく色々と調べてみました。不安材料である屋根裏への外気流入のこと、費用等を考えると、こちらのシステムを検討してみた方がよさそうです。まだ実際にどのシステムが良いかは色々と調べてみなければならないと思いますが、とても参考になるアドバイス、ありがとうございました!
地方ではなかなか専門知識を持っている方に出会えないので、本当に良かったです!また何かありましたら、ぜひご相談させていただければと思います。ありがとうございました。

斉藤 進一

2015/08/11 00:03

早速のご評価ありがとうございます。
第一種換気システムは東北や北海道で使用されている方式ですが、近年の日本の異常気象により建築の常識も変わりつつあると感じています。
学生時代、熊本に4年間在住していたこともあり、九州の夏の蒸し暑さと冬の寒さは関東の人間でも堪えた思い出があります。
建物の上部に対流した熱気が上手く処理できることを期待しています。

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