唸ったり噛み付こうとすることを直そうとする時、抑えつける事だけで解決しようとしても
根本的な解決にはなりません。
我慢させることが出来たとしても、いつかその我慢は爆発してしまいます。

似たような状態だった秋田犬の例で、実際私が取った方法をご紹介します。
文字数制限もありますので、細かい所は省略して要約してお話致します。

その秋田犬は口の辺りを触ろうとすると嫌がって噛もうとしました。
そこでまず「オスワリ」を教えて、「オスワリ」をさせる度に顔以外の身体を触りまくり、
褒めまくりました。
身体を触られる事が好きになり始めた頃、顔辺りも撫で回すようにしました。
初めは少し嫌がりましたが、以前のような嫌がり方ではありませんでした。

他に「フセ」や「マテ」などを教えて、やはり同じように褒めまくりながら信頼関係を
築いて行きました。
相変わらず顔辺り、特に口の辺りは嫌がりましたが、噛もうとするときの様子が少し
「甘え」が入ったような嫌がり方(「触るんじゃね～！」から「触らないでよ～」みたいな)
に変わりました。

信頼関係が出来てきた頃、甘噛みのように手を噛んできた時「痛い！」と言うと、自ら
手を離すようになりました。
手を離したら顔や口辺りを撫で回し、褒めるようにすると気持ちよさそうな表情を
するようになりました。
繰り返し行なっていくと、手を顔に近付けてもなにも反応しなくなり、口はもちろん
歯を触っても大丈夫になり、むしろ自分から顔を手に近づけるようになりました。

もちろん、上記の事は数日での事ではなく、数ヶ月掛けての事です。
我慢する事を強いるのではなく、自分から触られたいと思うように変えていく、
と言う方法です。
「嫌がったら叩けば良い」と言うような考え方では信頼関係は築けません。
信頼関係が築けないと言う事は、「噛む」ことも直らないと言う事です。

「しつけ」にはご家族全員の協力が絶対的に必要です。
片方が褒めて教えようとしても、もう片方では叱っている、ではワンちゃんも混乱します。
ご家族全員が、同じ方法、同じ態度でワンちゃんに接していかなければいけません。