相続税がかかるの?
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主婦A「最近新聞やテレビでも相続税の話題がやたらに多いけど、どうしてなのかしら」
会社員C「知り合いの保険会社の人も相続税って言ってたな」
主婦A「相続税ってお金持ちの税金でしょ。うちには関係ないと思うんだけど」
会社員C「そのはずだけど、これだけ話題になっていると不安になるなあ」
先生B「最近は相続の相談がものすごく増えているよ」
主婦A「どうして最近こんなに注目されているんですか」
先生B「平成27年年から相続税の基礎控除が下がったことが一番の要因だよ」
会社員C「相続税の基礎控除って聞いたことあるな。たしか相続人の数が関係しているんじゃなかったですか」
先生B「そのとおり。以前よりも40%も基礎控除が引き下げられたんだ」
基礎控除額の計算式
改正前 5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
改正後 3,000万円+600万円×法定相続人の数
主婦A「いまいちぴんと来ないんですが」
先生B「具体例で説明すると、相続人が配偶者と子供2人の合計3人とすると、次のように変わるんだ」
基礎控除額
改正前 5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
改正後 3,000万円+600万円×3人=4,800万円
会社員C「確かに基礎控除の額が3,000万円以上も違う。これって税金にするといくら違うのかな」
先生B「たとえば、財産が7,200万円で、相続人が配偶者と子供2人の合計3人の場合、次のようになるよ」
改正前 7,200万円<8,000万円(基礎控除額) 相続税ゼロ
改正後 7,200万円>4,800万円(基礎控除額) 相続税125万円
主婦A「125万円も増えるの!」
会社員C「今までならゼロだったから余計負担感が重く感じます」
先生B「これで世間が話題にしている理由は分かったかな」
主婦A「今まで相続税を払わなくていい人がこれだけ払うんだから、もともと払う予定のお金持ちの人はもっと増えるんでしょうね」
先生B「そうだね。例えば財産が1億円で、相続人が配偶者と子供2人の合計3人の場合、従来よりも215万円増えて、財産が10億円の人は1,160万円も増えるんだ」
会社員C「財産10億円は想像つかないけど、結果いくら這うことになるんですか」
先生B「1億7,810万円だよ」
会社員C「すごい金額ですね」
主婦A「一般庶民はそこまでいかないけど、ある程度無関心ではいられなくなるのね」
先生B「東京だと約2倍位相続税を払う人が増える予測もあるんだ」
主婦A「どうしたらいいんですか」
先生B「ただ心配しているばかりではだめだから、現状把握からしないといけないね」
会社員C「うちは賃貸だし、不動産はないから預金が主な財産かな」
主婦A「でも両親が亡くなったら、実家とか引き継ぐんじゃない」
会社員C「その可能性もあるけど、田舎には戻るつもりないから、売ってしまおうと思っているんだ」
主婦A「売ったら現金が増えるから同じじゃない」
会社員C「そうか、不動産じゃなくて、現金が増えてしまうんだ。うーんなかなか難しい」
先生B「将来予測は誰もできないから、いくつかのパターンでシミュレーションして概算でも把握しておくことが重要だよ」
会社員C「これはシロウトだけでは無理ですね。先生の力も借りないと」
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