高原 誠(税理士)- コラム「結婚にまつわる節税その4~「小規模宅地等の減額」(3)」 - 専門家プロファイル

高原 誠
不動産鑑定士と協働。不動産に強い相続専門の税理士です。

高原 誠

タカハラ マコト
( 東京都 / 税理士 )
フジ相続税理士法人/株式会社フジ総合鑑定 税理士
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結婚にまつわる節税その4~「小規模宅地等の減額」(3)

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相続税で得をする人・損をする人 2011-09-05 09:12

皆さん、こんにちは。

今回は『小規模宅地等の減額』の第三回目です。第一回、第二回では「小規模宅地等の減額」が適用される土地(宅地)の「一定の要件」についてご説明してきました。

 

今回は、「小規模宅地等の減額」の「『一定の要件に該当する土地(宅地)』が『一定の面積』まで『一定の割引』で計算された金額が控除される」という規定の、「一定の面積」「一定の割引」の部分について話を進めたいと思います。

 

ここで一旦、復習になりますが、「小規模宅地等の減額」の立法趣旨に立ち返ってみましょう。

 

相続が発生したからと言って、被相続人(亡くなられた方)と同一生計だったり、同居していたり、家族経営のお店を営んでいる相続人が、現在住んでいる住居や生活の糧である店舗等に大きな税金を課せられて、それを払うために家や会社を手離さなければならなくなってしまうのは、国が憲法で保障すべき「国民の最低限度の生活を営む権利」を脅かしてしまうことになります。そのような経緯もあり、前回・前々回のコラムで挙げたような要件に該当する自宅や事業用宅地等を保護するために「小規模宅地等の減額」という規定を作った訳ですが…。

 

しかし、自宅の敷地だからと言って、何千平方メートルもの広大な敷地に住んでいる方の、自宅すべてに減額を認めるとしたら、それは優遇し過ぎではないかということになります。

そのために、要件に該当する土地(宅地)であっても、減額が適用になる面積に上限がありますし、減額される割合も、その土地(宅地)の種類によって異なります。

 

では、具体的に見てみましょう。

まずは「一定の面積」についてです。

1)選択したもの(宅地)が「特定事業用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」、のみの場合・・・400平方メートル

2)選択したもの(宅地)が「特定居住用宅地等」のみの場合・・・240平方メートル

3)選択したもの(宅地)が「貸付事業用宅地等」のみの場合・・・200平方メートル

4)複数ある場合・・・「特定事業用宅地等」の面積+「特定居住用宅地等の面積×5/3+「貸付事業用宅地等」の面積×2≦400平方メートル

 

かいつまんで言えば、「不動産貸付業」以外の事業用に使っている宅地だけならば上限400平方メートル居住目的だけなら上限が240平方メートル、事業用でも「不動産貸付業」は事業用の半分の200平方メートル。それは、どの組み合わせでもいいけれど(「不動産貸付業用宅地等)の場合は、面積を2倍で考えるけれど)、それらを合計した面積の上限もやはり400平方メートルとなります。

 

次に「一定の割合」についてです。

減額される割合は以下の通りです。

A.「特定事業用宅地等」、「特定居住用宅地等」、「特定同族会社事業用宅地等」である小規模宅地等の場合・・・80%

B.「貸付事業用宅地等」である小規模宅地等の場合・・・50%

 

 

これで、「小規模宅地等の減額」の規定に書かれている要件についてのおおまかな説明は終わりです。

しかし、ここからが「小規模宅地等の減額」の話は本番なのです。

国税庁のタックス・アンサーに書かれている適用要件は分かりました。

では、具体的に「同一生計」であるとは、どういうことなのでしょう?

また、核家族化の著しい昨今、「小規模宅地等の減額」は、実務上、どのように扱われているのでしょう?

また、例えば、自宅の建替えの最中に相続が発生した場合や、親が老人ホーム、子どもは分譲マンションといった場合、「小規模宅地等の減額」はどうなるのでしょうか?

 

この辺りのお話を、次回以降、詳しく取り上げたいと思います。

 

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