寺岡 孝
テラオカ タカシ大手HMから建築確認申請後に3500万円増額宣告
住宅・不動産 住宅・不動産トラブル 2020/04/28 18:19大手HMで注文住宅を2500万円値引き、1億5千万円で契約しました。
打ち合わせ中、金額の話は一切出ず、建築確認申請後の再見積りで3500万円増額。
1億8千5百万円請求され、早く捺印しないと納期遅延と言われています。
増額の主な内容は、建築士による位置変更や拡大、契約見積り80万円のタイルを
600万円の石を採用している等です。もちろん打ち合わせ時に説明はありませんでした。
建て替えで仮住まい中のため、裁判で長引くことは避けたい。
仕様や設備のランクを下げて少しでも減額し、このまま進めて完成後に訴えることは可能でしょうか。
また、今できることがあればアドバイスください。
321homeさん ( 兵庫県 / 女性 / 50歳 )
大手HMから建築確認申請後に3500万円増額宣告
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アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。
さて、ご質問の件ですが、契約後に2割増しの追加費用は少し多いかと感じます。
当初の契約時の仕様がチープなものであれば、契約後の打ち合わせでドンドン増額するケースはよくあります。
これは、HMが契約を取りたいがために、安価な金額で見積を出すという常套手段の1つです。
で、完成後にHMを訴えるとなると、どういう点での訴訟争点になるかです。
仮に、契約時と全くかけ離れた金額が工事着手前に提示され、契約当初と金額が違いすぎるという点で、完成時に金額面での減額を求める係争をした場合、HMは工事着手前には必ず追加工事分の注文書や契約書等、書類を取り交わして工事着手するはずですから、その書類に記名・押印しているとかなり難しいかと思われます。
つまり、そうした追加工事分に対する何らかの書面に記名・押印すると、追加工事分をご自身が認めたから工事着手したとHMは主張します。
したがって、完成後に係争するとなれば、かなり不利な状況になろうかと思います。
こうした背景から、金額的な問題は工事着手前の現段階でクリアーにしておくべきでしょう。
ちなみに、請負契約は注文者からは解約は可能です。
ただし、それまでに要した費用を請負者に払って(賠償して)解約可能になります。
また、このHMが外注で提携している建築士の設計事務所が設計をしているのであれば、設計委託契約を取り交わしているかと思われます。
その場合、建築士は委託者の予算を管理する義務があり、仮に、予算に合わない設計をした場合にはその責を負うことになります。
過去に5,000万円の予定で進めていた建物が7,000万円以上になり、完全な予算オーバーで係争になった事例があります。
その裁判では建築士の方が敗訴し、契約は解約となりました。
こうした事例を参考にしながら、今後、どう対処していくかは詳しい設計図や見積書、また工事請負契約書などの資料の検証が必要にはなります。
また、建築の専門家の意見なり、そうした方を今後の打ち合わせなどで同席させることで、HMをけん制しておく必要があるでしょう。
以上、ご参考になれば幸いです。
なお、個別のご相談や詳しいご説明をご希望でしたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
それでは、何とぞ宜しくお願い申し上げます。
■アネシスプランニング(株)寺岡 孝
https://www.anesisplan.co.jp/
電話:03-6202-7622
メール:info@anesisplan.co.jp
評価・お礼
321home さん
2020/05/01 00:18
専門家の方に相談でき、且つご回答頂けた事で少し胸のつかえが軽くなりました。
高齢の母がおり、万一の時に仮住まいから送り出すという悲しいことだけは
避けたいため、納期遅延につながる裁判は今はできません。
その事を把握しているHMは、非を認め「解約しましょうか?」と言っています。
増額以外にも、申請後の図面や仕様書の改竄、依頼したものが入らない物入等、
問題は山積みで、これらはメールでのやり取りで証拠を残しているので
完成後、何らかのカタチで責任追求できるよう今は模索します。
このたびは、貴重の時間を割いてご丁寧なアドバイスを頂き、
感謝しております。ありがとうございました。