寺岡 孝(お金と住まいの専門家)- Q&A回答「設計契約の解除について 」 - 専門家プロファイル

寺岡 孝
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寺岡 孝

テラオカ タカシ
( 東京都 / お金と住まいの専門家 )
アネシスプランニング株式会社 代表取締役
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設計契約の解除について

住宅・不動産 住宅設計・構造 2014/12/10 23:54

住宅新築のため半年ほど前に知人に紹介された設計士にお願いし、基本設計を行ってもらっています。当方の条件としては、「家族6人で暮らすため木造2階建てで50坪は必要」「介護老人がいるため1階はバリアフリー」「予算総額は4000万円(建物本体価格3000万円(設計料含まず))」です。
設計の依頼は口頭だけで行い、契約書のひな形はもらいましたが、設計士からは「設計契約はもう少し基本設計が出来上がってからで構わない」と言われたので、書面での契約は締結してはおりません。(契約に際してはあまり細かい説明は受けていませんが、おおよそ双方に契約の意志はあったと思います。)
設計士と基本設計のための打ち合わせを数回行い、延べ床51坪でおおよその間取りの形ができ、一安心していましたが、突然設計士から「この間取りでは必ず予算内に収まらない。予算内に収めたければ面積を削って45坪で再検討してほしい。」と言われました。まだ決まったのは間取りだけで、外観や外壁や屋根材などの仕様もほとんど決まっていないのに、いきなり当方の当初の条件の1つである面積を削るように言われ大変ショックを受けています。なぜ面積が確保できないか、理由を聞いても「これまでの自分の経験から判断した。45坪に面積を削れば、予算内に収まるし、内部の仕様も上げることができるので、あなたのために言っている。」と言われました。
私としては面積は重要な要素であり、最初から伝えています。「では51坪の間取りを実現するにはあといくら必要なのか」と尋ねても、「金額は詳細設計を行い、施工業者に見積もりを取らなければ分からない」と言われ、全く金額を教えてもらえません。
不信感が募ったため、「設計を中断しこれまでの費用を精算してほしい」と申し出たところ、140万円の請求がありました。この請求金額は妥当なものなのでしょうか?
ちなみに契約書上では設計料は建物本体価格の13%(390万円)。このうち手付金は設計金額の総額の15%(58万円)、基本設計完了時に20%(78万円)の支払いです。基本設計の細かい部分はまだ完成していないので、基本設計としては8割くらいの進捗状況なイメージです。打ち合わせはこちらから設計事務所に行き10回程度。間取りの平面図は5パターン、立面図は2パターン作成してもらいました。

iwaniwanさん ( 神奈川県 / 男性 / 38歳 )

寺岡 孝 専門家

寺岡 孝
建築プロデューサー

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設計契約の解除について

2014/12/12 01:54
( 5 .0)

アネシスプランニングの寺岡と申します。宜しくお願いします。

さて、ご質問の件ですが、まずこの設計士の方には問題があります。

そもそも、なぜ設計の委託契約をきちんと締結しなかったのでしょうか?
にもかかわらず、依頼書から設計中止の申し出を受けると費用請求する。
あまりにプロらしからぬ行為としか言いようがありません。

本来、建築士に設計を依頼する場合、正式な委託契約前にラフプランを1、2度作成してもらい、その建築概算費用を出して委託契約をするかどうかの判断します。
その後に設計の費用、その支払い時期などの詳細を決めて委託契約を締結します。

そうした作業すらなく、あたかも無料の範囲での作業と思わせるような作図までしておきながら、最終的には依頼者の希望にすると予算に合わない、予算に合わすには面積を小さくしないとできないなど、依頼者に不信を募らせるのは当然かと思います。

また、費用請求の内容に関しても、その費用に見合う成果なり、成果物はできているのか疑問に思います。

こうした点を踏まえると、とても設計費用を請求できる状況ではないでしょうし、支払う必要性を感じません。

また、仮に、設計の委託契約をしていれば、その中には成果物を出した場合の費用請求があるわけですが、委託契約もしていない、さらに予算と希望にあわない設計図を何度ももらっても、ご自身にとっては到底成果があったものとは言えませんので成果物とは言えません。
したがって、それに対する費用を支払う必要はないでしょう。

過去にも、当方にご相談のありました方で、委託契約を解除したい旨を通知した際にこうした費用請求をされましたが、成果がないので支払うべきものではないということになり、委託契約金を全額返金してもらったケースもあります。

以前にも、同様なお問い合わせに関して回答した内容がありますのでご参照くだされば幸いです。
詳しくはこちら ⇒ http://profile.ne.jp/pf/t-teraoka/q/q-146835/

最終的はご自身の判断にはなりますが、請求通りの金額に見合わない業務内容であれば減額して払っても数十万程度が上限かと思われますね。

尚、個別のご相談や詳しい説明をご希望でしたら、どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

以上、ご参考になれば幸いです。

■お問い合わせフォームはこちら
http://navi.nikkori-house.jp/anesisplan/tabid/93/Default.aspx

■アネシスプランニング(株)
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評価・お礼

iwaniwan さん

2014/12/13 01:11

ご回答ありがとうございました。
少しこちらの説明不足の点がありましたので補足しておきます。
ご回答にもあるとおり、最初に設計士を選ぶ段階で1つラフプランを書いてもらっています。(その費用3万円については支払い済みです。)
その設計士は要介護者がいる住宅の設計に造詣が深い点が気に入り、またこちらの要望と予算を伝えた上で、次のプラン作成をお願いしています。
その段階で契約書のひな形をいただいており、契約締結してないまでも、口頭のみで設計委託が始まった状態になっています。
その後、設計士からは要介護者のいる住宅について多くの提案をいただき、途中までは大変良好な関係でした。
途中で予算のことが心配になってので、「予算は大丈夫ですか?」と尋ねたこともありましたが、「金額については、詳細設計を行い最終的に複数の工務店に見積依頼をしなければ分からない」と言われました。
こちらも初めてなので、そういうものかと思い設計士を信頼し、ここまで進んできてしまいました。
設計士からは言いにくい話だとは思いますが、このような基本設計の途中の段階では設計士から概算金額を伝えないのが普通なのでしょうか?
確かにここまでに打ち合わせを重ねて出来上がった51坪の図面は私としては気に入っており相当の対価を設計士に払う必要もあるのかな、と思う反面、予算内で建てられなければ全く価値のない図面だとも言うことができます。
一度設計士と話し合いをしたいと思います。
ご丁寧に回答をいただきありがとうございました。

寺岡 孝

2014/12/13 03:46

この度は回答に評価をいただき、まことにありがとうございます。
また、詳細な経過をお知らせくださいましてありがとうございます。

さて、基本設計の段階での概算提示に関する件は概ね受けるケースがあり、万一、提示がない場合でも注文者から概算を出すように命じられれば、建築士も提示しなくてはなりません。

通常であれば、建築士の方もコスト管理の観点から、基本設計の段階である程度の概算費用は把握しておく必要があるでしょう。
そうでなければ、いくらでできるかわからない建物を設計するのは心配で仕方がないと思いますが…

また、建築士は単に設計だけすればいいという訳にはいきませんし、判例でも見られるように委託者の工事予定額を遵守した基本設計、実施設計をすべき義務を負っています。
しかしながら、この建築士のいう「金額については、詳細設計を行い最終的に複数の工務店に見積依頼をしなければ分からない」というような発言を聞く限り、そうした義務を負って仕事をしているとは思えません。

さらに、設計委託契約をする前には、管理建築士等による建築士の免許証提示をして建築士法第24条の7の規定にある重要事項の説明等、及び書面の交付を行う必要があります。
こうした説明がない場合には法令違反となり、その建築士事務所は登録の取り消しなどの監督処分を受けることになりますが、こういった説明などはあったのかは甚だ疑問なところです。

いずれにしましても、以上の点を踏まえ、今後の建築士との話合いの参考になればと思います。

取り急ぎ回答の評価の御礼まで。

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