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せいさつ(087)「パンタ・レイ/ヘン・パンタ」と日常の本質
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バブルが崩壊した。
国を挙げ、対策が施された。
人々はバブルを反省したはずなのに、またバブルが起こった。
一つのバブルは終わるが、バブルそのものは終わらない。
コンプライアンス違反が起こった。
企業が謝罪した。
「うちも気をつけねば」と多くの社長が思ったにもかかわらず、別な企業で似たような違反が発生した。
一つのコンプライアンス違反は終わるが、コンプライアンス違反そのものは終わらない。
道路や公園がゴミだらけになった。
ボランティアが掃除をした。
3、4日はきれいだったが、程なくして元に戻ってしまった。
一つのポイ捨ては終わるが、ポイ捨てそのものは終わらない。
「パンタ・レイ」という言葉がある。
古代ギリシアの哲学者、ヘラクレイトスの言葉だ。
万物は流転するという意味である。
バブル、コンプライアンス違反、ゴミのポイ捨て。
いずれも「現れては消え、また現れ、それが消え、さらにまた現れる・・・」。
確かに流転している。
しかし、ヘラクレイトスはこうも言った。
ヘン・パンタ・・・こちらは、「万物は一」という意味だ。
彼は「世界の本質は変化を通して保たれている持続性、継続性にある」と考えた。
流転は無秩序に起こるのではなく、摂理に導かれているというのである。
では、この変化を引き起こしているもの(力)は何なのだろうか?
そして、継続という秩序を保たせているもの(力)は何なのだろうか?
私は、世界の変化を引き起こしているもの(力)が何であるかは知らない。
しかし、バブルやコンプライアンス違反やゴミのポイ捨てを引き起こしているものの正体は知っている。
それは「人間」である。
私は、流転の継続性を保たせているもの(力)が何であるかは知らない。
しかし、バブルやコンプライアンス違反やゴミのポイ捨てをいつまでも継続させているものの正体は知っている。
それは「人間」である。
消えてはまた現れるバブルの本質、消えてはまた現れるコンプライアンス違反の本質、消えてはまた現れるゴミポイ捨ての本質・・・これら日常の本質は「人間=私たち自身」にあると私は考えるのであります。
(無断転載や無断複製禁止)
中沢努 「人間としてのコンプライアンス原論」の内容をコラム用に書き換え
※ これは、弊社が行っている教育やコンサルティング で実際に使用しているものです。
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