まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。9月22日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも原則的な金融政策は据え置かれたため、現在は金利を引き上げる環境にはありません。

　日銀は、2％の物価上昇率を達成するまでは基本的に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、7月21日に公表した最新の政策委員の見通しでは、物価上昇率が22年度は+2.2～+2.4％、23年度は+1.2～+1.5％、24年度は+1.1～+1.5％となっており、23年度以降に物価上昇率が再度低下する見通しとなっています。

　次に長期固定金利です。10月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.16％上昇の年2.69％となっています。長期金利が上昇したことが要因と考えられます。

　今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利の指標となる長期金利も高止まりの展開となりそうです。

　世界各国の中央銀行が利上げを続ける中、日本だけが景気回復を優先して金融緩和を続けているため、円安などを通じて、不況下での物価上昇であるスタグフレーションの模様を呈しています。

　黒田総裁は韓国などのように、金利を上げても景気が回復しない事態を気にしているようですが、為替介入せざるを得ない今、政策金利の引き上げは時間の問題と言えそうです。なお、フラット３５の金利は月初の第1営業日にあたる、3日正午に発表の予定です。

沼田　順（１級ＦＰ技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー）

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