2021年6月の住宅ローン金利と今後の見通し
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まず変動金利ですが、これは据え置きとなりました。4月27日に日銀で開かれた、金融政策決定会合でも原則的な金融政策は据え置かれたため、現在は金利を引き上げる環境にはありません。
日銀は、2%の物価上昇率を達成するまでは基本的に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する考えですが、4月27日に公表した最新の政策委員の見通しでは物価上昇率が21年度は0.0~+0.2%、22年度は+0.5~+0.9%、23年度は+0.7~+1.0%となっており、2%の物価上昇率達成にはまだ時間がかかりそうです。
次に長期固定金利です。6月の全期間固定金利は、三井住友銀行では前月比0.01%低下の年1.87%となっています。長期金利が横ばい推移したことが要因と考えられます。
今後の見通しですが、変動金利はしばらく据え置きとして、長期固定金利の指標となる長期金利はオリンピックの開催可否次第と言えそうです。
現在も日本では感染が広がっているものの、オリンピックは開催される可能性が高くなっています。この場合、日本の経済成長が遅れるとの懸念から株安が進行、安全資金の債券が買われ、長期金利は低下しやすくなります。
一方で世界的な圧力によりオリンピックが開催されなかった場合、日本経済の回復期待から株高が進行、債券は売られ、長期金利は上昇しやすくなります。
実際の所、これらの判断は6月以降になると考えられますが、現在はオリンピック開催が織り込まれているだけに、開催されなかった場合の金利上昇リスクには備えておく必要がありそうです。なお、フラット35の金利は月初の第1営業日にあたる、1日正午に発表の予定です。
沼田 順(1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー)
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