吉野 真人(医師)- Q&A回答「漢方薬併用も要検討・鉄やビタミンB群など栄養バランス乱れは?」 - 専門家プロファイル

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体調不良が多く、死んでしまいたい

心と体・医療健康 心と体の不調 2018/01/27 20:04

33歳の未婚の女性です。10代のころからめまい症があり、精神科に通院しています。内科ではメニエール病といわれ入院し、しかし耳鼻科ではメニエールのめまいの出方ではないのでうつからくるめまいといわれ、最終的に精神科に回されてしまいました。

精神科では、抗不安薬のデパスやめまい止めの薬をもらっている程度なのですが、ほとんど良くならず月に1回は必ずクラクラするめまいに悩まされています。うつからくるめまいとの事でしたが、抗うつ剤を飲むと副作用が全面的に出てしまうので、デパスの処方になりました。
このめまいのせいで、仕事も休みがちになり、プライベートもいつめまいが来るか不安で外出や旅行、友達と近くにランチに行くことも怖くなりました。家にいても、朝か夜中の寝てるときに強烈なめまいがくるので、いつも怯えながら過ごしています。

めまい、吐き気、下痢、どんなに気を付けても一気にやってくるので、もう精神的に疲れて、死にたくなってしまいました。
めまいがくれば仕事も欠勤が多くなり周りに迷惑をかけ、恋人とのデートもめまいが来たりしてドタキャンも多く、家族にも迷惑をかけています。また、自分がめまい症なことを情けなく思っているので、職場の本当に信頼している人と家族にしか病気を伝えていません。恋人にも言えていません。めまい外来のある病院にも行きたいのですが、地方に住んでいるので移動中にめまいがきたらと思うと遠方の病院まで怖くていけません。こんなに周りに迷惑をかけるのなら、こんなに治らないのなら、もう死んでしまいたい気持ちでいっぱいです。

どのような心構えでいれば、この病気を超えていけるでしょうか。とにかく、周りに迷惑をかけることが申し訳なく、しんどいです。

yuka8787さん ( 茨城県 / 女性 / 33歳 )

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医師(精神科)

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漢方薬併用も要検討・鉄やビタミンB群など栄養バランス乱れは?

2018/02/06 11:15
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ひどいめまいが月1回は出没し、嘔気や下痢などの胃腸症状も伴っているご様子で、お見舞い申し上げます。お話では、うつから来るめまいと診断された模様で、また抗不安薬の処方を受けておられる事から、何らかのうつ症状や不安症状があったものと拝察いたします。具体的には、どのような体調不良なのでしょうか。
一方で、繰り返すめまいの影響により、家族や職場、パートナーなどにも多大な迷惑をかけていると気にしておられ、実際に様々な活動にも支障が生じているものと思われます。そうした事から、体調の不安定さだけでなく、心理的および社会的なストレスにも苛まれているとお見受けします。
めまいによって周囲の人に迷惑をかけている、と気に病んでいらっしゃる気持ちは、よく理解できます。ただ、あまり気に病んでばかりいると、それがストレスとなって更に体調不良に拍車をかけ、ますます苦しくなってしまいます。ある程度は「病気のせいだ、仕方がない」と、少し冷静に考える事も必要と思います。

それにしても、このような一連の体調の不良から解放されるための、有効な方法はないものでしょうか。
めまいを含め、医療機関で第一に試されるのは、当然の事ながら「薬」です。めまいに対しては抗めまい薬(メリスロン等)、不安感に対しては抗不安薬(デパス等)、うつ症状に対しては抗うつ薬(パキシル等)などが、症状に応じて投与されます。
薬を飲むと、確かに症状の緩和は期待できます。抗めまい薬を飲むと、めまいが緩和するかも知れませんし、抗不安薬で不安感、抗うつ薬でうつ症状が軽くなる事も少なくありません。

しかしながら、薬による治療には自ずと限界もあります。先ずは「副作用」の問題が横たわっています。例えば抗不安薬には眠気、抗うつ薬には幻覚などの無視できない副作用が発生し得ます。せっかく効果が出ているのに、副作用がひどいために薬を中止しなければならない場合も多々あります。
次に、薬が当初は効いていたものの、次第に「効かなくなる」という現象が少なくありません。専門用語で「薬剤耐性」と呼んでいますが、薬の代謝・分解が早くなり、効果が逓減しやすい、という基本的な性質があります。効果が薄くなるために、同じ効果を得ようと次第に薬の量が多くなりがちです。

一方で、症状や疾患の原因に対し、薬は根本的な解決になるとは限らない、という現実があります。例えば抗めまい薬は、めまいという症状に対して緩和効果が期待できますが、めまいの根本的な原因に対しては、解消するだけの力が弱いというのが実情です。いわば「対症療法」の域を出ない場合が大半です。
そのような事情から、症状や疾患を改善させる上で、薬だけに頼るのは考え物です。当面の症状に対しては、副作用と耐性に注意しながら薬を適切に用い、根本原因に対しては然るべき対応をしていく、というのが有効かつ安全性の高い態度といえます。

さて薬以外のアプローチとしては、どの様なものがあるのでしょうか。それを考える前に、薬の一種ではあるものの、立ち位置が少し独特な「漢方薬」について考えてみます。

漢方薬は、一般の薬に比べて幾つかのメリットがあります。先ず副作用が少ない、という事が挙げられます。ごく一部に深刻な副作用をもたらす漢方薬もありますが、多くの漢方薬は副作用がごく軽微です。中止しなければならない程の副作用は、まず起こりません。
また耐性が比較的起こりにくく、より根本原因に近い所にアプローチする、という一般薬に比べた特徴があります。従って、一般薬の限界を漢方薬で補う、という考え方は、検討するに値します。

それでは具体的に、どのような漢方薬がお勧めでしょうか。
めまいに対しては、五苓散(ごれいさん)や苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)などが候補です。
一方うつ症状や不安感に対しては、柴朴湯(さいぼくとう)や黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、抑肝散(よくかんさん)、加味帰脾湯(かみきひとう)などが候補に挙げられます。

このように様々な候補薬が揃っているのは、体質や随伴症状などにより、自分に合う漢方薬が異なる、という性質によるためです。そのため自己判断では難しく、漢方に詳しい医師か、漢方専門薬局に相談して決める事が大切です。

次に「食事と栄養のバランス」がたいへん重要です。ビタミンやミネラルなどの栄養素は、我々が考える以上に健康状態と密接に関係しています。
めまいを繰り返し、うつ症状や不安感があるという事からは、貧血や鉄欠乏の存在が示唆されます。健診などで貧血はない、という診断の人であっても、潜在的な鉄欠乏であるというケースは特に女性の場合、驚くほど多いものです。貧血を判定するHb(ヘモグロビン)だけでなく、血清フェリチンを調べる事で判定できます。
鉄が不足すると、倦怠感や息切れ、動悸などの貧血症状とともに、憂うつ感、肌荒れ、爪が割れやすい、喉の違和感、脱毛など、多彩な症状が生じ得ます。

不足しやすいのは鉄だけではありません、男女を問わず現代の日本人に不足しやすい栄養素の一つにビタミンB群があります。ビタミンB群にはB1、B2、B6など8種類あり、糖質や脂質、タンパク質の代謝、神経機能維持、造血など多様な作用をもっています。様々な理由から、現代人が非常に不足しやすい栄養素なのです。
ビタミンB群が不足すると、不眠、疲れやすい、情緒不安定、音などへの過敏、口内炎、神経痛、血糖値上昇など、実に多様な症状をもたらすことが知られています。実際に、慢性的な怠さや憂うつ感などの症状がある場合、過半数の方にビタミンB群不足がみられる、というデータもあります。
ミネラル各種もたいへん重要です。例えば亜鉛は糖質代謝や解毒、免疫、神経機能、生殖機能などに幅広く関わっていますが、やはり現代人が不足しやすいミネラルです。
亜鉛が不足すると、肌荒れ、風邪をひきやすい、情緒不安定、糖尿病、不妊症など、やはり多くの体調不良や健康障害に結びつきます。

このような栄養バランスの乱れがあった場合には、栄養アプローチが有効です。これは食事の工夫が基本で、場合により良質なサプリメントの併用も検討されます。食事の工夫に関しては、私が記述した他のQ&Aやコラム、それに蒲田よしのクリニックのホームページ(2本あります)にあるブログなどを、ぜひ参照してください。
ごく簡単に説明すると、野菜や果物、豆類、海藻類、キノコ類などをたっぷり食べ、肉や魚などタンパク源も適度に摂取します。一方で砂糖の多い菓子類や飲み物は極力控え、ご飯やパン、めん類などの炭水化物を控えめにすることなどが大切です。

他に体の保温なども重要な取り組みです。やはり他のQ&Aなどを参照してください。

蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
〒144-0052 東京都大田区蒲田5-27-10 蒲田TKビル1階
Tel : 03-6424-7071 FAX : 03-6424-7072
http://www.kamatayoshino-cl.jp/ (公式HP)
http://www.yoshino-radon.com/ (ガン専門HP)

評価・お礼

yuka8787 さん

2018/03/26 21:16

ご回答、ありがとうございます。
お礼のお返事が遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。

体調不良は、まず必ず朝の起床時に具合が悪くなることからはじまります。眠りから覚めて意識が戻ってきた瞬間、まだ体を起こしてもいないのに血の気が引く感じがし、目を閉じているのに頭の中がぐらぐらと船に乗っているように揺れる気がします。実際には体は何も動かしていません。そのうち血の気が引く感覚が怖くなり、吐き気と腹痛が襲ってきます。
恐怖で呼吸も浅くなり、そのまま横になっていたいのですが腹痛や吐き気でトイレに行きたくなり、ゆっくり起き上がると今度は頭を上下左右に大きく揺さぶられるような非回転性の激しいめまいに襲われます。トイレに行き、めまいで酔った状態になって嘔吐し、恐怖心から腹痛・下痢をします。急いで抗めまい薬(セファドール)と吐きけ止め(プリンペラン)とデパス0.5ミリグラムを飲みます。今まではこれで少し良くなっていたのですが、最近ではセファドールを飲むと逆にめまいと吐き気がひどくなってしまい、頼れるめまい止めがなくなってしまいました。
このような感じで月1の頻度でめまいが発生し、めまいは一度起こると1日~3日は何も食べれず、寝込みます。

めまいが起きる前兆はまったくなく、でも症状が出るのは必ず起床時です。夜10時以降にゼリーを食べたり、少し食事をとった次の日にめまいが出たことがあるので、夜の飲食はしないようにしています。また、精神的ストレスがあった2~3日以内にもめまいが出ることがあるので、精神的な事も影響していると思います。

もともと胃腸が弱いので食事は消化の良いものを好んで食べています。サプリでは、マルチミネラル、ビタミン、亜鉛、鉄などが入ったものを飲んでいます。漢方薬は、生理前症候群の緩和に当帰芍薬散と、下痢が続くときは五苓散を飲んでいますが、毎日飲むと吐き気がしてくるため、1~2週間飲んで一回やめて、具合が悪くなりそうになったらまた飲み始めるというのをしています。どちらも、めまいに効くとはしらず、別の症状の緩和のために処方されていました。血液検査で貧血はないと言われました。

うつによるめまいにしては重すぎる症状なので、通院している精神科の医師にも「良い治療案が浮かばない」と言われました。めまいがなければ胃腸症状もうつ症状も出ないので、めまいの原因が知りたいばかりです。

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