吉野 真人(医師)- Q&A回答「「治った」は早計?ストレス耐性向上のため食事&保温等の工夫を」 - 専門家プロファイル

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うつ状態 治った気がします

心と体・医療健康 心の不安・性格改善 2017/08/15 03:06

現在20代後半の女です。職場の人間関係や不規則な勤務等で悩みを抱えていました。1ヵ月半程前から不眠や意欲低下などが出始めうつ状態と診断されました。薬を飲めばすぐに治ると思っていたのですが一向に良くならず、転職を考え色々と探したのですが現実の厳しさを痛感、症状もひどくなり職場の人間関係も悪化してしまいました。自殺も考えるようになりこれ以上は無理と思い次の就職先が決まる前に会社に退職を申し入れました。しかし、申し入れた日の翌日から急に体調が良くなり精神的にも安定しています。薬を服用しなくてもひどい症状はありません。症状がないのなら退職の判断は早まったのではないかと後悔しています。次の職場でまた同じ様な状態にならないかという不安もあります。現在の私はうつ状態が治ったと判断して良いのでしょうか?うつ状態ではなく単に甘えていた様な気がします。自分がすごく情けないし、迷惑をかけてしまった家族にも職場の方々にもとても申し訳なく思っています。

omatsuさん ( 山形県 / 女性 / 26歳 )

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医師(精神科)

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「治った」は早計?ストレス耐性向上のため食事&保温等の工夫を

2017/08/25 10:54

職場のストレスが関係した不眠や意欲の低下等の症状に悩まされ、うつ状態として治療を受けたものの悪化傾向を辿ったため、退職という辛い決断をされた模様です。一方で、退職が決まった途端に体調が改善に向かい、退職の決断を早まったのではないかと悔やんでもおられ、体調の変動とキャリア上の決断のはざまで、葛藤を感じておられるものと推察いたします。
仕事に原因の一端を発する体調不良やメンタル不調に悩まされる方は多く、背景はまさに十人十色です。長時間労働など仕事の「量的な負荷」で心身の調子を崩す人はもちろん、最近の傾向として、職場環境や人間関係など職場の「質的な負荷」が引き金となって発症する方が特に増えてきています。とりわけ20代から30代の若い方に、その傾向が強いようです。

病院で薬を飲むなどの治療を受けても、一向に良くならない、かえって悪化したという話は、我々がしばしば耳にするエピソードです。抗うつ剤を含む薬物は、憂うつ感などの症状を一時的に緩和する効果はありますが、うつ病を根本的に改善させる力はありません。最初は効いたとしても、次第に効果が薄れてゆき、薬を増量もしくは多剤併用を重ね、気がついたら薬の量が山のように増えてしまいがちです。
一方で、現在の仕事を休職もしくは退職するとなれば、仕事や職場のストレスが一時的にせよ軽減するため、体調や気分が見かけ上、改善する事もよくあります。ところが現実は厳しいものがあり、中途半端に休んで復職、もしくは新しい職場に出たとしても、遅かれ早かれ体調やメンタルの不調がぶり返し、再度の休職や退職に追い込まれる事例が決して少なくありません。

それでは何故、復職もしくは転職した後で体調不良やメンタル不調が再燃しがちなのでしょうか。それは体や神経の状態が、職場や仕事に関わる量的、質的なストレスに対抗できるほど充分には回復していない場合が多いからです。上述の如く抗うつ剤を含む薬物は個々の症状を緩和するものの、心身にわたる「ストレス耐性」を向上させる訳ではなく、ストレスに脆弱な状態はなお続きます。
そのような現実があるため職場への復帰は、心身の状態の充分な改善を見届けると伴に、ストレス耐性を向上させる取り組みと並行して行なう必要があります。それと並んでストレスの源泉となり得る「職場環境」を整える事も重要です。ストレス耐性の向上は基本的に個人単位で行なう「セルフケア」であり、一方で職場環境の調整は職場全体が関係する「ラインケア」という位置付けです。

さて現実問題として今後どのように対処していけば良いのでしょうか。先ず確認したいのは上記のように、決して未だ「治った」とは言えない状態であると認識する事が肝心です。症状が軽減しているのは事実でしょうが、仕事やストレスへの耐性が充分ではない可能性が高く、これを如何に引き上げていくかという事にも注力すべきです。そしてもし復職するのであれば、ある程度の職場環境の調整も必要となってきます。
反対に、予定通り退職して新たな仕事を見つけるのであれば、これを機に「本当にやりたい仕事」を模索してみる事も価値があります。日々職場に通い同じような仕事をしていると、そのような視点を持ちにくいものです。この際、少し時間がかかっても良いので、本当にやってみたい事、なりたかった自分を探してみるのも決して無駄な事ではありません。

但しいずれの道を歩むにせよ、心身の「状態」が決定的な意味を持ちます。すなわちパフォーマンスの低下した状態では、復職するのも新たな仕事を見つけるのも大変な作業となってしまいます。心身ともに疲れ果てた状態では、復職しても再びストレスまみれとなって再度の休職を余儀なくされるかも知れません。一方で求職活動にもパワーが要るものですが、心身の状態が悪いと活動に必要な力も発揮できません。
逆に体力や気力が充実しストレス耐性が高い状態ならば、復職後もスムーズに元の業務に戻る事が出来るでしょうし、求職活動に当たっても多くの選択肢を持つことが可能で、相手先の職場へのアピールも良くなります。復職であれ求職活動であれ、どのような話し方をするかといったテクニカル的な要素ももちろん大切ですが、何より重要なのは心身の状態やパワーといった内的要素です。

それならば、心身の状態を改善しパワーを充実するためには、具体的にどのような取り組みが必要なのでしょうか。それには幾つもの側面がありますが、最も重要な側面は「食事と栄養」です。心身の状態とパワーの大小は、毎日の食事から摂取しているタンパク質やビタミン、ミネラル、その他さまざまな栄養素により半ば決定付けられます。まさに毎日の食事が「体と脳を形作る」のです。
実際に食事の栄養バランスを改善する事で、心身の状態が劇的に向上した事例は枚挙に暇がありません。端的な事例を挙げると、体調不良で不登校となった男子高校生を心配して担任教師が自宅を訪問したところ、炭酸飲料水の空き瓶が何十本も見つかりビックリ仰天しました。食事も充分に食べていなかった模様です。そこで飲料水を禁止し食事をしっかり食べるようにさせたところ、急速に体調が回復し復学できたという事です。

さて毎日の食事にどのような問題があり、どのように改善させれば良いのでしょうか。食事と栄養バランスの問題点および解決法に関しては、他のQ&Aや私のホームページ等に於いて頻回に詳述していますので、ぜひ参考にして下さい。ごく簡単に要点を説明すると、タンパク質やアミノ酸、ビタミン、ミネラル、良質な脂質をしっかり摂取し、炭水化物や糖質の摂取を少なめにするという事が重要です。
毎日の食事内容に即していうと、ご飯やパンなどの「主食」を控えめにし、一方で野菜や豆類、肉、魚などの「副食」をたっぷり摂るような食事が基本となります。間食は甘いお菓子類を避け、タンパク質の豊富なナッツ類やチーズ、ゆで卵などがお勧めです。飲み物も砂糖入りの甘い物は控えましょう。一言でいうとタンパク質やビタミン等がたっぷりの「糖質制限食」という事になります。

食事・栄養と並んで「体温・代謝」の維持も重要です。体温が低く代謝レベルが低下すると、冷え性や痩せにくいなどの弊害と伴に、疲れやすい、うつ症状が出やすい、意欲が低下する、などの心身の不調にも繋がりやすいものです。低体温は様々な局面に悪影響が及びますが、一つにはセロトニンなど神経伝達物質の働きが悪くなり、脳からの指令が行き届きにくくなるため倦怠感や憂うつ感などが現れやすくなるのです。
体を温め代謝を上げる方法には幾つかあり、同様に他のQ&Aやホームページ等で詳述していますが、最も簡単なのは「お風呂」の活用です。38~39℃という温めの湯に半身浴で、ゆったりと浸かるのがお勧めです。体の芯から温まります。また適度な運動が望まれます。ウォーキング等の有酸素運動で代謝が活発になり、体温も上がります。そしてストレス耐性も確実に高くなります。

蒲田よしのクリニック(内科)
吉野 真人
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