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【日本の銀行、いつまで国債を買うの?】 あと何年?
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こんにちは、東京港区の公認会計士 森 滋昭です。
日本の国債は、いくら増えても9割以上が国内で保有されているため、暴落することもなく、いくらでも国債発行ができると言われています。
しかし、日経新聞の記事の中に、「日本の国内銀行はいつまで国債残高を積み増すことができるのか?」というゴールドマン・サックス証券のレポートが紹介されていました。
レポートでは、社会の高齢化に伴い、生活資金の確保のために預金を取り崩し始めます。
そして、その分だけ銀行の余力がなくなり、2016~19年度にかけて、国債の保有残高を増やせなくなる可能性があるそうです。
また、「日本国債の国内消化構造はいつまで維持できるか」という三菱東京UFJ銀行のレポートを読むと、
「全人口に対する60歳以上人口の比率が30%台半ばに達する2010年代後半以降、 貯蓄率は小幅マイナスに転じ」、貯蓄の取り崩しがはじまるそうです。
さらに、このレポートでは、4つのシナリオでシュミレーションをしています。
その内、
・消費税率が5%のまま (=増税ができない)、
・企業の銀行借入が増えていく (=企業の収益が悪化)
という最悪のケース場合 (つまり、国内銀行が国債を買えなくなるケース)では、国債の「2020年度の海外保有比率は26.6%と足元(6.2%)から大きく上昇」する、と予測しています。
もし国内の銀行が国債を買えなくなると、国債の価格は安くなり、利率が上昇します。
そして最悪、ギリシアなどのように、国家破綻し、ハイパーインフレーションが起きる、とまで言う人もいます。
以前、あるセミナーで、都銀を中心に金融機関では、長期の国債から、ほぼ1年以内に償還する短期の国債を中心とした保有に切り替えている、と聞いたことがあります。
日経新聞にも、同じようなことが小さく書かれていたことがありました。
実際、日本国債がいつ、どうなるのか、正直よくわかりませんが、これからはリターンだけではなく、リスク管理面も含めた余剰資金の運用が、企業も個人も大切になってきますね。
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