間山 進也(弁理士)- Q&A回答「職務発明の権利について」 - 専門家プロファイル

間山 進也
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間山 進也

マヤマ シンヤ
( 弁理士 )
特許業務法人エム・アイ・ピー 代表弁理士
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職務発明の権利について

法人・ビジネス 特許・商標・著作権 2008/03/10 18:19

2点質問があります。
職務発明で発明した内容を発明者が全ての権利を
会社に譲渡したとします。(特許出願報奨金2万円で)
その場合
(1)その発明を利用して、個人で起業した場合、元々所属していた会社に対しては、何らかの対価を支払う必要があるのでしょうか?
(2)発明した内容を利用してその会社でビジネスを行いその会社が利益をあげた場合、発明者はその対価をもらうことはできないのでしょうか?

kentさん ( 神奈川県 / 男性 / 39歳 )

職務発明の権利について

2008/03/11 07:59
( 5 .0)

職務発明については、この頃、対価請求に関連して新聞などで取り上げられているようです。
ご質問の点について、概ね以下のように考えればよいのではないか、と思います。

特許出願の報奨金ですが、この金額については、現段階では特に不都合ではないと思います。特許というのは現実に利益を生み出すまで、経費を消費する存在で、現実に利益を生み出したか否かは、損益バランスの問題で、事後的にわかることだからです。

そこで、ご質問の(1)ですが、会社が特許出願人/権利者となっている場合、個人で起業する際に、実施許諾を受ける必要があると考えるのが妥当でしょう。このとき、対価を会社側に支払うことになりますが、対価の額は、会社側との交渉になります。

この対価が、高いか、安いかは、KENTさんの会社に対するそれまでの貢献やらその他の状況も影響しますので一概に言うことはできません。

次にご質問の(2)ですが、発明した内容が特許とされ、現実的に会社の収益に貢献している場合、出願時に一律に定めた対価が「相当」ではなくなる可能性があります。多くの職務発明の裁判が提起されることになった理由は、上述したように特許の価値は、損益バランス点を経過して利益が確定した段階で判断されることが多いからです。

このため、会社が特許を利用して現実に収益を上げている場合であって、勤務規則などにその規定がない場合には、会社と交渉することもできるのではないか、と思います。

近年の傾向では、勤務規則などに、特許による収益を上げた場合の対価についても規定する傾向にあると思いますので、会社の勤務規則・職務発明規定などの確認を行うことも必要と思います。

また、会社側も特許で収益を上げているときに職務発明の対価として思わぬ請求を受けないように、特許後の収益の発明者への還元についても勤務規則などに充分規定しておくことが重要でしょう。

評価・お礼

kent さん

簡潔でわかりやすかったです。ありがとうございました。

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