大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
脳心理学に基づいた英語の教え方-1
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脳心理学・発達心理学に基づいて英語を教えるということ
まとめてみました。
英語を教えるということ = 正しく言語を教えること
正しく言語を教えること = 正しく脳を発達させること
正しく脳を発達させること = 正しい環境を作ること
正しい環境を作ること = 正しい教え方をすること
どんどん元に戻ってしまいますね。 この堂々巡りをする過程にある「正しく言語を教えること」と「正しく脳を発達させること」、これが鍵を握っているのです。 まずは「言語」と「脳」の関係を理解しないと何も始らないようです。
言語とは
他の動物にない能力、人間だけが有する能力、それが「言語」だと言われています。 その「言語」とは単なる音を発して仲間に危険を知らせるという単純なものではありません。 Phoneme(単体としての音), syntax(文法), semantics(語彙)をもち、それを組み合わせることにより無数の意味を持たせ、意志の疎通を図るのが「言語」の定義です。
逆から言うと、発音がうまく出来ず、使える語彙も限られ、正しい文法を使うことが出来ないと、人間としての能力を最大限利用出来ていないことになります。 例えば口頭で表現するのが苦手な人、自分の意見をうまく書き言葉で表現出来ない人は、その苦手な言語能力そのものが「脳」の能力であることになってしまいます。 いかに「脳」でものを考えていても、それを表現する言語能力がなければ伝える手段がありません。 言語能力が頭脳の限界であるという結論にたどりつきます。
全国学力調査の結果によると、日本の子供には読み取る力がかなり不足しているそうです。 日本の子供を見ているとそんなことはずっとわかりきったことなのに、今更何を慌てているのかという感想ですが、特に次のような問題への正答率が危機的に低いということです。 「グラフの情報から分かったことを基に意見を書く。」 なんと正答率は小学校6年生33.0%、中学3年生54.3%です。
「言語」で表現出来ないようですね。 専門家の意見では、「語彙や言葉を言い換える力が不足している。」とか。 困りましたね。 しかも、文科省は現在もまだ「力の付け方」を模索している・・・とか。 専門家は声を高らかに、「しっかり書かせよう!」と言っていますが、何のノウハウもないようです。
そんな母国語の能力しかない日本の子供たちが、同じ「人間の言語」である英語を正しく習得するのは恐ろしく難しい試練に思えてきました。 しかし、日本の子供のために気を取り直して先に進みます。
脳の発達
日本の教育はどこで間違えてしまったのでしょうか。 いやいや教育だけのせいではないと思います。 親が子供を知らなさすぎる。 これも原因だと思います。 そんな親や、教育制度を作り実施する政府や学校の存在する社会も、大きな間違いを犯して来たと思います。
「脳」の発達、特にCognitive Ability(考える能力)の発達を理解せずには「言語」は教えられません。 子供が母国語のひとつひとつの音(Phoneme), 文法(syntax), 語彙(semantics)を習得するのは「脳」のCognitive Ability が発達するからです。 そのCognitive Abilityは子供の年齢に応じて段階的に発達して行きます。 ですからそれぞれの段階に最良の環境を作ることがまず最重要になるわけです。
2に続く
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