大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「自分のことをどのくらい良く知っているか試す方法」 - 専門家プロファイル

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自分のことをどのくらい良く知っているか試す方法

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科学に基づいた心理学から 2012-04-29 14:50

文化が原因か、それともお粗末な教育制度が原因か決めかねますが、日本のTeenager にはIdentity Development 《「自分が誰なのか」「自分は何に価値を見出しているのか」「将来はどんな方針・方向に進むのか」》 の発達が非常に遅れていると感じます。 

Teenager どころか、大人になってもまだ Identity development が完成しないまま迷っている人も多いのが実感です。 
「うつ病」などの精神疾患、ひいては自殺率の高さなども、この未発達に多いに関係があると科学が証明しています (Campbell, J.D., Assanand, S. & Di Paula, A. 2003)。

では、Identity development、が正常に発達しているかどうかを計る方法を試してみましょう。

《現在高校生の方へ》

将来どんな職業につきたいですか? それはなぜですか?
大抵の日本の高校生はこんな答え方をします。

  「将来医者になりたいです。 医者は人を助ける仕事だからです。」
  「私は教師になりたいです。 子供が好きだからです。」

残念ながら、これは6~8歳くらいレベルの答えです。
自分のことを何も分析していません。

なぜ自分は医者になれると思うのか。 なぜ医者に適していると思うのか。
また、子供が好きなだけでは教師にはなれないです。 
どうして自分が教師に向いていると思うのか、その資質についてまったくふれていません。
「自分が誰なのかー資質・能力も含みます」「何に価値を見出しているのか」などを理解している様子が見えません。

この質問に次のように答えることが出来たら Identity Development がかなり健康・正常に育っている証拠となります。 15歳~18歳レベルまで。

   「私にはかなり細かいところまで考え注意深く物事を進めて行く能力があると思います。 ですから、法律を学び更に深く考える能力をつけ、公平に判断出来る弁護士になろうと思います。」 (*これはDevelopmental Psychologyのテキストの中の実例です。)

《現在大学生の方へ》

今専攻している分野は、自分の元々持っている資質・能力を高めるために選びましたか?

     それならOK

もし、入試段階でとりあえず入れるところに・・・と大学に来た人は、Identity Development が少々怪しい・・・・ですね。

大学を卒業したらどんな仕事をしたいですか? それはなぜですか?
「自分が誰」で「どんな価値観を持つ」のかを基に答えてみると、Identity の大人度がわかります。
先の実例のような答えなら合格です。

Teenager の間にIdentity Development が正常に出来ない理由は下記のふたつが有力な可能性を持ちます。
発達心理学の分野では非常によく知られている説です (Berk. 2006)。

1.Identity Foreclosure:

本人が「自分が誰で」「何に価値観を持ち」「将来どんな方向に」など考える機会がないまま、周りのいいなりに進路を決めてしまうケース。  
例えば、「親が医者になれというので」「教師がこの大学に行けというので」「友達がこの大学に行くから」・・・などなど。  完全に周りの意見に囲い込まれて、自分がなくなってしまったケース。

(社会体験もまったくないまま、学校と塾の往復。 しかも大学選びは偏差値で。。。。 という状況の日本の中・高校生が正に陥っている状況に見えます。)

2.Identity Diffusion:

大変。 Identity がバラバラになってしまいます。 新しい経験は制限され、そのうち、本人も新しい経験を避けるようになってきます。 
「うまくいかなかったらどうしよう」「自分には出来ないかも」と考えて。 
結局はgo with the “crowd” みんなと同じことをすることになり、Identity はないままの一生を送ります。

(「みんなどうするんだから。」「そういうもんだから。」なんて理由で将来を決めるとこんなことに。 これも日本でよく聞く話です。 集団主義の社会では。)

35年間、日本のTeenager を教え続けての実感。
非常にかわいそうな社会状況、教育環境にいると思います。

しかし、「やばい。。」と思った方も、まだまだ遅くないです。
「自分のことよくわかっていない。」と認識した瞬間から、「自分は誰」かをもう一度よく考えてみるといいですね。 

Psychological Well-Being (心理的満足度)が上がることも、科学的研究が証明していますから (Journal of Personality)。

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