大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「「カナダってそうだったのかぁ」人口の半数が読み書きに不自由する現実」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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「カナダってそうだったのかぁ」人口の半数が読み書きに不自由する現実

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留学 大学・高校正規留学 2021-04-03 11:15

パンデミックの出口がチラホラ見え始めたカナダは、これからの経済発展をどう進めて行くか頭を捻っています。コロナ給付金の大判振るまいで大きな赤字を抱え、急速な経済復活が欠かせないカナダの足を大きく引っ張っていることとは? 

Nearly half of adult Canadians struggle with literacy — and that's bad for the economy

カナダ成人の約半数が読み書きに苦労しているーそしてそれは経済への打撃(CBCニュース

 

「カナダは英語を話す国だから、みんな英語が出来るはず。ホームステイしてもそこで英語を話していると私もしゃべれるようになるはず。友達が出来たらその友達からも英語を教えてもらえる。英語をしゃべる人が周りにいっぱいいるから私もすぐ英語がうまくなる。」

と、夢を抱いてカナダに勉強に来た日本のみなさんは多いと思います。

 

ホームステイをして「あれ、変だな?うまく英語が通じない。。自分のせいかも。。。」とか

ハンバーガーなどを注文する時に「店員の言っていることがよくわからない、自分の英語はまだまだかも。」とか

「学校のカナダの生徒たちのしゃべっていることについていけない、何を話しているのかわからない」とか

 

実はそれは、あなたではなく、英語のNative Speakerであるべきカナダの人たちの英語レベルが低いからかも?

 

誤解のないように。
カナダには英語を母国語としない移民がわんさかいますが、その人たちのことではありません。

白人のカナダ人の英語能力のことです。

英語の『読み書き」に困る人は、もちろんしゃべっても文法もボロボロですので、特に非英語圏から来た私たち日本人にはとてもとてもわかりにくいです。

 

そうなんです。

カナダの英語を母国語とする人の約半数が、まともに「読み書き」出来ないんです。

 

CBCの記事にこうあります。

“Poor reading, writing and numeracy skills in adults make up a literacy gap in Canada with consequences for both democracy and the economy.” 

「読み書き能力が低く、計算能力に劣る大人と、大学を出ている優秀な人たちとの間には大きな隔たりがあります。その大きなギャップはカナダの民主主義と経済にとり大きな障害です。」 

クリティカルシンキングを使った教育制度を持ち、論理的な思考能力を相当高いところまで訓練するカナダなのに、なぜ?と思ってしまいますか?

 

実は、ここにもカナダならではの理由がありました。

“Experts say the gap is due in part to an abundance of jobs in the past that do not require the daily use of reading comprehension and information synthesis skills.” 

石油、天然ガス、木材など豊富な天然資源に恵まれているカナダでは、特に大学に行かなくても、高校でも高いレベルの「読み書き」を学ばなくても、単に簡単なコースを終了し高卒の資格さえあれば仕事がふんだんにあったからです。

このような仕事には実は高卒さえも必要ない場合が多かったからです。

 

一方、カナダの大学を目指す高校生たちの学ぶ「読み書き」スキルは世界1流レベルで、その能力がないと大学にも入れませんし、学位など取れません。

その高い「読み書き」の準備をする高校のコースには、もともとの学力の高い大学希望者の高校生が集まります。

そうでない高校生は、適当なコースで、適当に時間を過ごし、単位だけもらって高校を終えます。

高校を途中でドロップアウトする人も結構います。

アルバータ州の高校で「ダッシュ2」、BCの高校で「コミュニケーション11, 12」と呼ばれるコースがこれに当たります。

 

実はオイルブームの続いていた5年前にはアルバータ州の高校ドロップアウト率はカナダで一番高かったそうです。

「読み書きなんて出来なくったって給料のいい仕事があるさ」と。「数字は語る」ですね。

 

この理由から、カナダの大人の半数は、大学卒の半数と比べて比べようもないほど低い「読み書き」能力しかないという現実になったわけです。

 

民主主義と経済への打撃って?

高校をかろうじて終えただけで、特に「読み書き計算能力」の必要ない仕事をしている人たちの能力は急速に衰えて行きます。

簡単な資料を読むのにも苦労し、ニュースも読めず、メールさえ満足に書けません。

2013年のカナダ統計局の発表ではカナダの6人に1人は、基本的な「読み書き」さえ出来ないとのことです。

国が機能しなくなりますよね、確かに。

 

民主主義も脅かされます。

パンデミック禍のカナダで「マスクなんか絶対使わない!」とマスクなしで店に入り騒動を起こしたり「コロナは中国から来た!」とアジア人攻撃をしているカナダ人のほとんどは、恐らく「読み書き」不自由な人たちだと思います。

SNSでの偽情報を見抜くことも出来ず、本当の意味も理解出来ず、「そうだそうだ!」と簡単に嘘の情報に影響された結果です。

 

我が日本はOECD調査ではカナダよりはるかに「読み書き」の優秀な国です、やった!

 

「読み書き」能力が低いけど仕事があった時代のオイル産業は風前の灯火です。

コンピューター化が累乗速度で進む社会では、「読み書き」に加えてComputer Literacyも必須です。

そんな急速な社会の変化に「読み書き」の不自由なカナダ白人がついていけず、精神を病み、薬物中毒になり、ホームレスになってしまう現実がこのパンデミックにより目の前に現れています。

 

さぁ、ここまで読んで「あれ?」と思った方はいませんか?

 

カナダに高校留学って価値があるのかな?と、思い始めませんでしたか? 

大学にも行かず、まともな「読み書き」能力も学ばないカナダの高校生が約半数存在する高校です。

そこに「英語の読み書き」が不自由どころか、ほとんど出来ない日本人高校生がやって来ます。

カナダで大学進学を目指す優秀な同級生と同じペースで勉強させてもらえると思いますか?

それとも、「読み書き」出来ない組と同じ、適当なコースで、適当に時間を過ごすことが「高校留学」の実態だと思いますか?

 

カナダ留学するなら「大学から」と勧めているのは、これが理由です。

 

優秀なレベルのカナダの人と席を並べ、「読み書き」レベルを1流にするため。

これが「カナダには大学からいらっしゃい!」と言い続ける合理的な理由です。

 

最後に、カナダの半数を占める「読み書き」不自由なカナダ人の書く英語をご紹介。

メールをもらって絶句したのを覚えています。

He must have thought about it. (これが正しい英語。「そのことを考えたに違いないよ。」)

He must of thought about it. (’have’という完了形の概念が存在しません。音でだけ覚えた英語がアリアリ。have が of と聞こえたんでしょうね。そのまま書いてしまってます。)

 

このレベルになるのは嫌ですか?

 

じゃぁ、カナダには大学からいらっしゃい!

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