大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「日本の大学進学を目指しているのに高校留学してしまった方へ」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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日本の大学進学を目指しているのに高校留学してしまった方へ

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留学 大学・高校正規留学 2020-09-06 07:10

カナダの教育制度もよく知らず、何が理由かどうもよくわからないまま留学した日本の高校生。

日本の制度がそのままカナダにも存在するかのように、ただ単に「高校3年間」を日本から切り取ってやって来た日本の高校生たち。

 

パンデミックで完全に叩き潰された高校留学が、大きな歯止めとなることを祈りつつカナダから注視しています。

 

その中でも、ここ数年多くなった相談が気になります。 

「カナダの高校卒業し、日本の帰国生入試で大学受験します。」という相談です。

 

正に「カナダと日本の教育制度は180度異なるということは知らなかったのでは?」と思います。

まさか、日本と同じでただ単に使用言語が英語になるだけだという信じられない思い込みをしていたのでしょうか。

 

日本の大学進学希望なら、なぜカナダの高校に留学するんですか?

日本の大学に入るのに最適な方法は「日本の高校で受験に必要な勉強をすること」です。

小学校から大学まで、各国の教育制度は一貫性を保つように作られていることは知っていますよね。

 

留学した本人や親は「英語が出来るようになるから。。。」「高校時代の経験は大きいから。。」と、実しやかな理由を口にしますが、論理的に成り立ちません。

 

・カナダの高校に3年程度留学しても英語能力はそれほど高くなりません。

日本の高校で真面目に英語学習をした生徒の方がはるかに能力が高いのが現実です。

・経験ならいつでも出来るはず。なぜ、わざわざ高校時代? どの国も大学教育手前の高校教育は独自の方法で力を入れています。 それをすっ飛ばしてしまうことが「大きな経験」ですか?

 

カナダと日本との教育制度はスペクトラムの両端にあります。

全く異なります。 (この図をよくごらんください。)


 

カナダの幼稚園からGrade12までの教育は、すべてクリティカルシンキングに基づき「個々の能力」をみつけ、それを個々にどう伸ばすよう奨励するかをデザインしたカリキュラムに基づいています。

 

すべての内容がGrade12での完成を目標に組み立てられています。

母国語である英語運用能力も、丁寧なカリキュラムの中、想像力・創造力を伸ばす方法で訓練されます。

その途中のGrade10にいきなりやって来ても、ついていけないのは当たり前。

Grade9までのカナダの優秀な生徒と同等の能力がない限り、「高校留学してはいけません」という言うのはそれが理由です。

 

方や、日本に戻っても、一番大切な高校3年間を失います。 (図を見ると失った部分がいかに深刻かがわかると思います)


何のプラスを「高校留学」に見たのでしょうか。

 

制度の違う国に無理やりやって来て、自分の国の制度に合わせて行われる入試対策を考える。

おかしいと思うべきですよね。

 

入試対策にしても、特にこのパンデミック禍、そしてこの後いわゆる「帰国生入試」なるものがどう変化するかは、各大学次第だと思います。

留学前から、帰国後の入試対策に合わせ入念な準備を行い、果たしてカナダの高校での中途半端な成績証明書でも間に合うのかを、論理的・客観的に判断するべきではないのかな。

 

そうです、中途半端な成績です。

カナダの大学進学希望のトップクラスの生徒が取る高いレベルのアカデミックコース〈English12, Social Studies12level, Science12 level〉でAを取るのはほとんど不可能に近いです。

カナダの統計では、留学生全体のたった5%しか、EN12にパスしていません。 しかもかろうじて取った成績はC+です。

 

では。。。と単位の取りやすい選択科目(Food, Metal work, Art, Computerなど)を選んでも、それらの単位はカナダの大学に行かない高校生が主に履修するものです。

つまり、大学に行く能力のないカナダの高校生が単位をもらい高校卒業だけをやっと手に入れるコースです。

そんな選択科目の成績で、日本の良い大学に入れますか?

(もちろん、選択科目だけではカナダの高校卒業さえもかないません)

日本の大学もカナダの高校で出す単位の内容はよ〜く知っているはずです。

 

ありゃりゃ。

困ってしまいましたか。 では、ひとつだけアドバイス。

 

元々の能力もあり、カナダの高校留学し、初年度からEnglish10履修を認められ、順調に単位を取り進めている留学生のみなさん。

カナダの大学進学に照準を合わせることです。

中途半端な高校時代を将来の土台にするためには、その教育制度の先にある大学をめざすべき。

そこで初めて、カナダの高等教育の優れた部分を自分のものにすることが可能です。

 

行ったり来たりの中途半端な教育があなたの未来なのか。

それとも、もう来てしまったからには、カナダのクリティカルシンキング教育を極めるのか。

 

Up to You.

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