大澤 眞知子
オオサワ マチコグループ
「留学する際に絶対必要な資格はありますか?」
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いかにも日本的な考え方ですね。
資格試験を受けて合格すれば「留学」というまるでパッケージか何かのような商品を購入出来るとの思い込みに感じます。
もっとも、「留学パッケージ」を求める消費者の要求を満たすために、いわゆる留学エージェントなるものがここまで野放しにされて来たというおまけ付きですが。
クリティカルシンキング思考法で、この質問をひとつひとつ紐解いてみます。
1.Define your terms. 分析したい語句を定義すること。
「留学」の定義は:外国に留まり、その国の言語で、その国でしか学べない分野を専門的に勉強すること。
ですから、どこの国でどのレベルの教育機関で何を学ぶかにより、絶対必要な能力は変わります。
従って、その能力を証明するために必要なものも変わります。
例えば、カナダの大学正式留学の場合は、非英語圏からの学生には英語能力の証明が必要です。
使われるのが、TOEFL, IELTSなどの高いスコアです。
また、日本の高校を卒業していることも必須であり、高校での好成績も必要です。
高校留学の場合は、〈カナダの優秀なGrade9と同等の英語運用能力+エッセイスキル+クリティカルシンキング思考法〉が絶対必要です。
TOEFL/IELTSなどの英語力証明は必要ありませんが、もともとの基本学力と英語運用能力が低い場合は留学しても現地高校生と同じレベルの授業は不可能です。
お客さんとして、お茶を濁して帰国するだけです。
2.Don’t oversimplify. 星の数ほどプロセスもレベルも異なる「留学」を単純化しないこと。
すべての「留学」に適用する能力などありませんし、すべての「留学」に必要な資格など存在しません。
また、個々の留学目的により、準備方法も留学してからの勉強法も大きく異なります。
3.Avoid emotional reasoning. 論理的思考プロセスを無視した感情的な「留学したい!」は避けること。
30年以上、カナダから日本の親子に向け、留学の厳しい現実を発信し続けていますが、真実の現状から目をそむける親子が未だに非常に多いです。
「うちの子は頑張ると言ってます。」
「そんな現状はうちの子には当てはまらないのでは?」
「どうしても留学したいと言うので叶えてやりたいです。」
「留学は自分の前からの希望なので。」
「エージェントはすべて大丈夫と言ってます。」
ロジック抜きの感情的な「とにかく留学ありき」に少々呆れかけている昨今です。
特にパンデミック禍に、なぜ「とにかく留学ありき」なんでしょうか?
4.Consider other interpretations. 別の角度から「留学」を考えてみること。
例えば、カナダのような英語圏で将来の自分への大きな味方となる留学をし、カナダで資格(大学の学位など)を得るために絶対必要な能力とはを考えてみて下さい。
英語の読み書きの高い能力は当たり前。
そんなものは「資格」にもなりません。
英語圏の思考法であるクリティカルシンキング思考法を使えるようになっておくこと。
これが留学成功の最大要因です。
日本社会にも教育にも存在しないクリティカルシンキングは、カナダ社会には普遍的に当たり前に存在します。
その中で育つカナダの学生たちと同等の教育を受けるためには、クリティカルシンキング理解なしには入り口にも立てません。
そうですね、「資格」ではないですが「留学に絶対必要な能力」と言い換えると、クリティカルシンキングが筆頭に上がって来ます。
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現在、カナダ大学正式入学を認められたものの、パンデミック禍の全授業オンラインという状況を受け入学を冬学期にDeferし、カナダの正式オンライン専門大学からのコースを履修中の大学生のサポートをしています。
高校時代から英語エッセイやReadingの論理的分析の特訓をし、クリティカルシンキング思考法の基本も教えて来た生徒たちですが、やはりカナダの大学レベルで運用するクリティカルシンキングを使ったReasoningでは大汗をかいています。
日本の学校では全く出てこない考え方ですので、時間をたっぷり取ったクリティカルシンキング学習は、「留学」には必須の能力だと言えますね。
日本ではほとんど学ぶ機会のないクリティカルシンキング思考法を紹介するコースを開講しています。
UX Englishというカナダから提供する日本人のための英語学習サイトから、Critical Thinking をぜひ。
サイト上の説明は英語ですが、ビデオレクチャーは日本語でわかりやすく説明しています。
Unit毎の勉強後は、クイズに挑戦し、自分のCritical Thinking度を試すことが出来ます。
まずは、始めること。
「この勉強面白い! こんな考え方があったなんて!」と思ったら「留学」の方向にあるき出すのもいいかも知れません。
逆に「あ〜めんどくさい。 こんな考え方は難しい。」と思ったら「留学」は諦めて、日本で自分の将来に進むことですね。
Good Luck!
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Canada Club(New Normal 大学・高校留学 Phoenix Project)
「カナダ高校留学実態総集編」eBook ダウンロード
「クリティカルシンキングがわかる」eBookダウンロード
日本人のためのエッセイ・クリティカルシンキング学習サイト UX English
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パンデミック後の留学カウンセリング
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