大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「人種差別」 - 専門家プロファイル

大澤 眞知子
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人種差別

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科学に基づいた心理学から 2016-11-21 08:23

傲慢な白人が持ち得る全ての醜さを兼ね備えたトランプの登場により、もともと自分たち以外の人種を見下す傾向にあった低レベルな白人たちが調子に乗っています。

「なんだ人種差別してもいいんだ」と言うとんでもない考えが急速に広まっています。

 

特に、移民の多いアメリカの学校であからさまな人種差別行動が起こっていると、New York Times が書いています。

アメリカだけでなく、世界中でこの傾向が強まると感じます。

このカナダでも、避けることの出来ない人種差別行動言動が増えて来ると思います。

 

え~カナダ人では人種差別アメリカみたいにひどくないでしょう?

いやいや人種差別は世界中どこに行ってもあります。

日本人だって、他の人種をよく知らずに勝手に思い込みをし、差別をしていますから。

特にアジアの他の国から来た人を見下す傾向が強いですよね。

 

カナダにも残念ながら低いレベルの白人は存在します。

いかに国自体が「多民族主義」を尊重し、世界から移民を受け入れる方針を持っていたとしてもです。

自分の祖先も移民だったくせに、後から入ってくる移民に対して「移民はみなカナダの文化社会ルールに溶け込むべきだ!」と思っている人が60% を超える現実からもわかります。

 

さて、人種差別。

2種類あります。

 

一つはExplicit Racism (あからさまなな人種差別行動言動)

もうひとつはImplicit Racism (差別をする本人は自分が人種差別をしているのは自覚してないが、些細な行動言動に現れてしまう人種差別)

 

私自身も様々な英語圏で仕事をし、現在カナダの保守的な小さな町に住み、留学生をカナダで面倒みている立場から、多くの人種差別を経験して来ました。 Explicit, Implicit 両方です。

 

ここに実例をご紹介しましょう。

 

Explicit Racism:

 

・New Zealand のAuckland で道を歩いているといきなり “Fucking Japs!” と白人になぐりかかられた男子生徒

・Australia 日本人には売れないと、フライドポテト屋に差別された

・Vancouver から1時間の町 Langley で“Yellow monkey” と言って白人に追いかけられた男子生徒

・Canada, Claresholm の高校のロッカールームで “Fucking Asians!” と言われた男子生徒。 一緒にフィリピン系の生徒がふたりいた。

・多くの日本人がカナダに英語の勉強に来るのは日本語が劣っているからだと豪語する白人

・履歴書に日本人の名前を書いたらアルバイトに採用されなかった大学生。 友達の白人は採用された

・自己紹介をして名前を言ったら “Whatever.” と一言。 白人の相棒には名前を繰り返して握手

・小切手に日本語でサインしたら、「何を書いてるかわからないので信用出来ない」とカナダの大工

・カナダのおやじ。 パキスタンからの移民が問題を起こしたTVニュースをみながら「誰があんな移民を入れたんだ!」

 

まぁ、もっともっと数え切れないほどありますが、ほとんど相手は低級な、教育レベルの低いバカ白人からです。 バカは相手にしても仕方がないので、リアクションを取らないことにしていますが、かなり気分は悪いです。

 

こんな奴らが今度もっと調子に乗ってくるかと思うと、身構えますね、思わず。 リアクションを取らざるを得ないようになるのかな。

 

実はもっと甚大な意味を持つのが

Implicit Racism (Harvard 大学の教授がこんな名前もつけていますーMicro Agression「小さな暴力」)

 

・話をする時には絶対にこっちを見ない。 白人の相棒と仕事をしていますので、一緒に白人に話をすることが多いです。 その際に、相棒の顔しか見ない人。 これが驚くほど多いです。 本人は意識してないような気がします。 本当に全くこっちを見てくれません。 私が返事すべき内容を話している時もです。 Vancouver 郊外の白人の多い町 Langley にも多かったし、驚くべきことに今住んでいる町の高校の先生にもいます。 絶対こっちを見ない人が。 何なんでしょうね、これは。 白色以外の顔は目に入らないのかも。 または潜在的に見たくないのかも。 見る価値もないと、もし思っているのなら見事に Explicit Racism 入り!確定です。 パチパチパチ。

・留学生をまるで難民のように扱うホストファミリー。 何人かに出会いましたね。 カナダに来る生徒はみんな本国が機能していないかわいそうな子供だと。 問題行動を起こしたり、精神年齢的に親元に返した方がいいと判断した留学生を、感情的に自分のもとに引き止めるホストファミリーにこの傾向が見られます。 まるで本国に返したら危害を受けるかのような勘違いで。 幼稚過ぎると発覚した未成年は、日本の親しか面倒見れません。 それが理解出来なく、日本の親が子供を守る権利にまで踏み込もうとするケースもあります。 日本の実の親より、カナダの他人であるホストファミリーの自分の方が子育てに優れていると思っているのかな?

・病気になった時に「そんな(アジア)料理ばかり食べているからだ」と一言。 「あなたがデブなのはそんな(西洋)料理ばかり食べているからだ」と返そうと思いましたが、ぐっと飲み込みました。 実は相棒の家族の言動ですが、それ以来出入りを止めました。 私に出来る Implicit な抵抗です。

・前述”Fucking Asians!” とClaresholm の高校で罵られた男子生徒の件を、学校のオフィスに報告しました。 反応は「本気じゃないと思いますよ。」 人種差別の対象になったことない人なんでしょうね。 差別発言をされた人の気持ちがさっぱりわからない。 その発言を擁護していることになっているとは気がついてないようでした。

・人種差別について、このコラムのように発言すると「”Over sensitive!” 感情的になりすぎじゃない?」「気にしないで」と言う白人たち。  人種差別を受けた人が一体どんな気持ちかを、自分の、白人優位の立場からしか理解しようとしていない人たち。 「なぐられた本人が痛い!と言っているのに、気のせいだよ。」と言われている気になります。

 

 

Explicit Racism, Implicit Racism を含めて、今後の世界を注視していきたいと思います。

Implicit な抵抗と、時にはExplicit なリアクションを取ることも覚悟して。

 

日本の優秀な若者たちへ。

世界で起こっていることを知り、視野を広げにカナダにいらっしゃい。

今は、みなさんの将来にとてつもなく大切な歴史の曲がり角だと思いますから


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