大澤 眞知子(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)- コラム「夫の需要低下中」 - 専門家プロファイル

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夫の需要低下中

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科学に基づいた心理学から 2013-06-28 17:15

University of Massachusetts がこんな研究結果を発表しました。

「女性が夫を必要とする度合」つまり「夫の需要」がかなりの低下傾向にあるそうです。

おやおや。

 

「供給出来る夫 – the supply of husbands」の方が「女性が夫を必要だとする需要 – the demand for husbands」を上回っているそうです。 これは、最近のそして今後の、「結婚を大切だと思わない」傾向を明確に表していると、研究者は述べています。

 

もともと、結婚というのは社会におけるひとつのInstitution (a significant practice, relationship, or organization in a society or culture )と定義されています。 そんな契約関係としてのInstitutionを語る上では、経済学上のCost and benefit analysis (かかる費用、代償と、利益を分析すること)が欠かせません。 

 

「結婚」という契約を結んだInstitution 関係にあるということは、夫と妻とがCost & Benefit の面で対等である必要がありますね。 一昔前なら、夫が経済的なサポートを保証する代わりに、妻が家庭のサポートをするという関係がこれに当たります。

 

Cost & Benefit を対等に分かち合うのが結婚というInstitutionのはずなのに、法律面では実はかなりの不平等が存在します。 婚姻関係というInstitution下では、男性に有利な法律が多いわけです。 

 

しかも、実生活でも女性の方が時間や、エネルギーの面で負担を強いられる現象が見られます。 女性が仕事を持っていても、家事や子育ての負担は相変わらず女性に重くのしかかります。 

 

それでも、女性にとって結婚という選択肢しかない場合は、かなりの高いCost を見越してでも、結婚を望む人が多くいるかも知れません(夫を求める女性ですね)

 

一昔前の「結婚」という選択しが普通だと思われていた時代には、”the supply of wives“(妻になりたい女性の供給数)が高く、それに夫が払うCost は低くてすみました。 つまり、たくさんのsupplyが市場に出回っているので、廉価で結婚を手に入れることが出来たわけですね。 妻が供給する家事や子育てに対する評価が低かったのも当然ですね。 

 

法律面でも、不平等な要件がそのまま残っているのも “supply” が高かったのが関係しているかも知れません。

 

ところがところが、現在 その“the supply of wives” がどんどん低くなって来ています。 現代のように、他にも選択肢が存在する場合は、そのCostちょっと待った!となってしまうわけですね。 法律も、???と疑問に思う女性が増えました。

 

経済的に自立する女性も増えましたし、子供だって、夫がなくても作れます。 北アメリカでの精子バンク大盛況がその時代を映し出していると思います。 Cost & Benefit Analysis でどうしても割に合わない結婚を、わざわざ望む女性が減少しているのは、激しく変化する私たち社会を明確に描写しているように思えます。

 

最後に研究者たちはこう結んでいます。

 

このままこの傾向が進むと、結婚上でのCost & Benefit は女性に有利に働いていきます。 過去と逆になります。 経済的にも優位に立ち、家事子育て面でも男性の払うCost の方が大きくなり、女性の自由時間が増える可能性があるかも、だそうです。

 

これを契機に化石のような日本の不平等法律も変わることを期待したいですが、オジサン政治家ばかりが自分かわいさの政治をやっている国では難しいかも。

 

日本の女性へ: 「結婚はしなくてはいけないものではなく、自分で選択肢として選ぶもの」だと考えると、人生観変わりますよ。 

 

カテゴリ 「科学に基づいた心理学から」のコラム

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