小日向 るり子(心理カウンセラー)- コラム「この障害の方に自覚はあるか ~境界性パーソナリティ障害 その5~」 - 専門家プロファイル

小日向 るり子
感情を否定せず、まず寄り添うこと、を理念としています。

小日向 るり子

コヒナタ ルリコ
( 東京都 / 心理カウンセラー )
フィールマインド 代表カウンセラー
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この障害の方に自覚はあるか ~境界性パーソナリティ障害 その5~

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境界性パーソナリティ障害 2013-06-08 12:38

今回のコラムは「境界性パーソナリティ障害」の方に自覚はあるか、という点について触れてみたいと思います。

その前に、「境界性パーソナリティ障害」 とは何か?のおさらいです。
この障害は、
大人になってもパーソナリティが未熟であるがゆえに、感情面で不安定さが露出し、日常生活や対人関係においてトラブルを抱えてしまう障害
です。

では、そもそも 「パーソナリティ」 って何?ということですが、
パーソナリティとは、ある人に特有の認知、行動、感情などの「あり方」のこと。
性格、気質、倫理観、価値観、など、 「その人」 を統合する概念です。

※ただし、このような症状の人がすべて 「境界性パーソナリティ障害」 ではありませんのでご注意ください。

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【境界性パーソナリティ障害の方に自覚はあるか?】

「境界性パーソナリティ障害」という言葉の認知度が低かった数年前までは、この障害の方達は、『自覚がない』という考え方が一般的でした。
認知度自体が低かったのですから当然と言えば当然ですね。

ただ、ここ数年で【人格障害】という概念が広く知られるようになり、境界性パーソナリティ障害についての書籍や、自身がこの障害を持っていることをブログなどで公開する一般の方が出てくるようになり、状況は変わってきています。
現在では、リストカットやOD(過量服薬)による救急搬送で、自分の意志とは関係なく受診される方の中でも障害について全く無自覚という方は少なくなっています。

とは言ってもそうした方達も、障害について詳しく把握しているわけではありません。

「自分でもコントロールがきかないほどの気分のアップダウンがある」
「過食嘔吐で気力体力の消耗が激しい」

といった症状の改善が患者さん自身の主な受診理由であり、この障害が根本原因であると診断し、かつ患者さんに伝えるには、医師も何回も診療を重ねて見立てをしていかなければならないため、医師が初診や数回の受診でこの障害名を伝えることはまずないからです。

また、「境界性パーソナリティ障害です」と伝えられたところで、身体や心が発している症状や状態を「パーソナリティによるもの」と正確に認識することは、それほど簡単なことではありません。
「ストレスのせい」「周りの人間のせい」
そんな風に考える方がまだまだ多いのも事実です。

「境界性パーソナリティ障害」を診断として受け入れ、自分自身の問題として向き合うことができるようになるまでは、時間がかかることもあります。
しかし、【周りのせいではなく、自分自身のパーソナリティの問題である】と受け入れることが、この障害の治癒への大きな一歩なのです。
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次回でこのコラムも6回目になります。
これまでは、パーソナリティとは何ぞや?というところから、症例をいくつか挙げてご説明してきましたが、次のコラムでは、ここまでのまとめという形で、
「一見異なる症状で多様に現れるこの障害も、ある1つの言葉に集約される」
というところを書いてみたいと思います。
ある1つの言葉とは

○○○

漢字3文字が入ります。わかりますか?

 

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