小林 政浩(行政書士)- Q&A回答「慰謝料の額、別居中の負担費用、財産分与の時期について」 - 専門家プロファイル

小林 政浩
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小林 政浩

コバヤシ マサヒロ
( 北海道 / 行政書士 )
小林行政書士事務所 
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慰謝料の額、別居中の負担費用、財産分与の時期について

2012/11/14 05:59

よろしくお願いします。夫(私)42歳、妻33歳、結婚歴約12年、こども3人(10歳、8歳、5歳)、年収は私が約700万円、妻はパートのため50万円程度です。この夏の約3ヶ月間の私の浮気が原因で離婚することになりました。相手とは5回ほど関係を持ちました。この場合慰謝料として妥当な金額はどれくらいでしょうか。またこちらから離婚をもちかけましたが、妻はすぐには離婚に応じず、しばらく(10年くらい)は別居でハンコは押さないとごねています。その裏には妻の実家への借金があり、すぐに離婚すれば財産分与で借金も半々になるため、自分の親が出した1,400万円が回収できないからという意図があります。私は、2012年11月現在1,000万円の評価額がついている家と土地の名義を妻にし、その半分の500万円を慰謝料と借金の返済分に充てると提案しましたが、それでは現金回収できないと不満を訴えています。そこで私が有責配偶者であることを逆手にとって離婚手続きを意図的に先延ばしし、借金1,400万円を少しでも私に返済させようとしているわけですが、財産分与は離婚が成立しないとできないものなのでしょうか。このままずるずると戸籍上の婚姻が長引けばそれだけ借金に対する私の返済額が多くなって妻の負担が軽くなりますし、不動産の評価額も数年たてば当然下がることが考えられ、やはり私に不利になります。また、別居中の生活費(婚姻費用)も要求されていますが、いくらくらいが妥当ですか。婚姻関係が事実上破綻しているにもかかわらず、こうした意図的な離婚手続きの先延ばしに法的に対処する方法はないでしょうか。もし一生ハンコは押さないと腹をくくられたら、私は別居しながら一生借金を返して行かなくてはならないのでしょうか。また、戸籍上婚姻関係があると、いくら別居して事実上の婚姻関係がなくても別の女性とつきあったり関係を持ったりしたらそれも浮気と見なされ、新たに慰謝料が発生することになるのでしょうか。自分に非があることは重々承知していますし、婚姻費用も養育費も出せる範囲でということになってしまいますが快く支払うつもりです。ですがどうにも納得のいかないことばかりです。ご回答よろしくお願いします。

補足

2012/11/14 05:59

そもそも1,400万円を借りたという借用書は取り交わしていません。借用書がなくても、法的に返済する義務はあるのでしょうか。もし返済義務はないという審判が下る方法があれば、是非ご教授願います。また、私が有責配偶者である以上、こちらからの離婚の訴えはできませんか。できるとしたらいつできるでしょうか。

タイタンさん ( 栃木県 / 男性 / 42歳 )

慰謝料の額、別居中の負担費用、財産分与の時期について

2012/11/14 23:58
( 5 .0)

タイタンさま。

初めまして。北海道旭川市で行政書士をしている小林と申します。

浮気した夫(有責配偶者)からの離婚請求についてですが。

簡単に回答すると、有責配偶者からでも裁判の申し立ては出来ます。

しかし離婚裁判は申し立てできますが、裁判所は容易にはその請求を認めません。

このケースの離婚の認められる三要件として裁判所は昭和62年に判示しています。

すなわち

1、 別居期間が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと。

2、 未成熟の子が存在しないこと

3、 相手方配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的にきわめて過酷な状態におかれないなど、離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められないこと。

以上の条件がすべてクリアされる場合は裁判において離婚を認める判決が出る場合もあるということです。

また、未成熟の子がある場合でもほかの事情・条件が加味されて有責配偶者からの離婚請求が認められた判例もあります。(平成6年)

この判決の場合の別居期間は14年になっていました。

小さな子供が居るからといってそれだけで請求棄却にはならない場合もあるということです。

奥様がいつ離婚に応じるかは協議の段階では奥様の自由と言えます。

慰謝料の額は、明確な計算式があるわけではありません。

多くの判例などから見た数値を相場と称するなら一般の家庭であれば離婚に至る場合で200~300万円が多いようです。

1400万円は住宅の購入資金として借り入れたものでしょうか?

家は結婚してから購入したものですね?

現在の残額はいくらですか?

使途や残額が分からないため、純粋に分与の対象とすべきものな判断が難しいところです。

住宅資金として正式に借り入れ、残債1400万円、不貞の慰謝料300万円と仮定して話を続けます。

あなたは評価額1000万円の住宅を奥様に分与することで、このうち半分を自分の持ち分・権利と考えて自分の権利分である500万円を実質奥様にあげることで、慰謝料と借り入れの自己弁済ぶんとして離婚してほしいと提示したようですが、それでは500万から慰謝料を除いた200万くらいしか残債務の負担していないことになりませんか?

補足

200万円あげるかわりに残債務1400万円を奥様に引き受けてしてほしいというのであれば、あまりにも奥様側が過酷な状況におかれることになると思いますので、裁判でも離婚が認められることはないと思います。

家を売ったと考えた場合、1000万円の家と借金1400万円が夫婦の財産分与の対象であれば、差し引きマイナス400万円が分与財産であり、仮に半分で分けたとしてもあなたは最低でも慰謝料300万円のほかに200万円は債務を負わなければいけないはずです。

オーバーローン状態の家の自分の権利を妻にあげただけで、慰謝料やほかの債務を免除してもらうなら、あなたは慰謝料も超過している債務も何も自己負担していないことになりませんか?

家の権利を妻に譲渡してうえで、残債務1400万円の清算として、家の自己権利分500万から慰謝料分300万円をひいた200万円を借り入れの一部負担分としてもあと500万円をさらに支払うというのであれば話はわかります。

これで残債務を一人700万円で折半した状態ですから最低限の案です。

奥様の収入が少ない場合、債務の負担は収入によって案分するケースもあります。

そうなればあなたの負担すべき額はもっと多くなります。

双方の収入から見た場合、婚姻費用の額は14~16万円です。

算定表は市販されている離婚本に掲載されているものが多数ありますので図書館や本屋さんで確認されると良いと思います。

以上、お答えいたします。

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評価・お礼

タイタン さん

2012/11/15 04:28

丁寧なご回答ありがとうございました。こちらの知りたかったことに余すところなくお答えいただいたのでとても満足しています。またご質問させていただくこともあるかもしれませんが、その節はよろしくお願いします。

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