大塚 嘉一
オオツカ ヨシカズホンダのシビックと原発
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昭和50年、大学に合格した18歳のときに、初めて買ってもらった自動車が、ホンダのシビック。当時、反公害の運動が激しく、排気のクリーンなCVCCエンジンを載せたシビックは、人気のまとでした。早稲田大学の教授も乗っていると、報道されました。
高名な日本の数理経済学者が、自動車に対する呪詛の言葉に満ちた本を出す、そんな時代です。その本は、今も、岩波新書に入っています。
ところが現実は、自動車は、その後も、物流に、人の移動に、行楽にと、利用され続け、増え続けました。排気ガスも、各社が対策を講じて、なかには吸入する空気よりも排気のほうがきれいなエンジンもできました。大学教授の憂慮よりも、大衆の熱気と企業の技術が勝ったということでしょうか。
現在、反原発の勢いが止まりません。原発推進を積極的に発言するのは、言論界では吉本隆明くらいです。同氏は、平成24年3月16日にお亡くなりになりました。元検事総長の但木敬一弁護士も、原子力発電を多様なエネルギー源の一つと位置付けざるをえない、厳格に審査し安全性を認められたものから再稼働するべきであると発言なさっています。同弁護士の言葉の裏には、日本の国民に対する信頼の気持ちがあるように思います。
脱原発と、原発推進と、後世の人々からは、どう評価されるのでしょうか。
いや、今現在を生きている我々の覚悟が問われているのです。
路上にあふれるホンダのハイブリッドカーを見ながら、考えます。
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