ひでろーさん、こんにちは。
旅館内の挨拶についてのご質問ですね。
食事会場で、食事が終わって食事会場から出ていくお客様に対し、食事会場のスタッフからお客様へお声がけするご挨拶は、「ありがとうございました」もしくは「ありがとうございます」のいずれがふさわしいか、というご質問かと推察いたします。

結論としましては、どちらが正解ということはないと考えております。しかしながら、旅館としては、統一しておきたいというお考えもあるかと思います。そこで回答者からは、「ありがとうございます」をお勧めしたいと思います。理由については、この後述べさせていただきます。

まずは、「ありがとうございました」と「ありがとうございます」の違いについて整理いたしましょう。
まず「ありがとうございました」ですが、過去の出来事や終了した物事に使うお礼の言葉となります。
例としては、
「先ほどはお忙しいところご対応いただき、ありがとうございました」
「先日は式に足をお運びいただきまして、ありがとうございました」
「これまでご指導いただきまして、ありがとうございました」
次に「ありがとうございます」ですが、継続している出来事や関係性のときに使うお礼の言葉となります。
例としては、
「素敵なお祝いの品を頂きまして、ありがとうございます」
「本日はご来店いただきまして、ありがとうございます」
「この度は私どもに機会をいただきまして、ありがとうございます」

以上を踏まえて、今回のケースで考えてみましょう。
食事会場のスタッフにとって、食事が終わって食事会場を出ていくお客様は、食事という物事が終了し、そこで終わる関係性となります。食事会場のスタッフにとっては、「ありがとうございました」が適切なように思えます。
しかし、お客様にとっては如何でしょうか。食事は確かに終わったかもしれませんが、旅館には滞在が続きます。お客様にとっては、旅館との関係性は継続したままです。「ありがとうございました」と言われて、違和感を感じたりするお客様がいらっしゃる可能性があります。
旅館としては、様々な役割のスタッフがいらっしゃいます。それぞれのスタッフの立場からは、お客様との関係性も様々です。滞在の途中で、お客様との関係性が終了されるスタッフもいらっしゃるかもしれません。しかし、お客様にとっては、各スタッフとの関係性というより、旅館全体との関係性の方が大きいと思われます。
お客様の立場で考えると、やはり旅館滞在中は、「ありがとうございます」が望ましいと考えられます。
　旅館滞在中は原則「ありがとうございます」で統一して、最後に、旅館への滞在が終わり、お客様をお見送りする際に、「ありがとうございました」とご挨拶することをお勧めいたします。

回答は以上となります。
なお、今回ご質問をいただいた感想ですが、お客様への挨拶ひとつとっても旅館内で議論になる程、ひでろーさんの旅館が、きめ細かくお客様に向き合っているという印象を受けました。お客様に嫌な思いをさせないよう、気分良く過ごしてもらえるよう、スタッフひとりひとりが意識を高く持っていらっしゃるのではないかと思います。そのような旅館にぜひ行ってみたいと、私も思いました。ぜひこれからも、きめ細やかなご対応を続けられて、また対応にお困りな点が出てきましたら、改めてご質問いただければと存じます。

ひでろーさんの今後のご活躍を願っております。