小松 和弘(経営コンサルタント)- Q&A回答「理解度とモチベーションの度合いを良く把握して指導しましょう」 - 専門家プロファイル

小松 和弘
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コマツ カズヒロ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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要点をつかめない方への指導の仕方

スキル・資格 ビジネススキル 2020/04/11 13:27

私の部署では、話の要点がつかめない後輩がいます。先日、クライアントから壁紙を替えたいという電話をもらったので、後輩に行かせました。打合せから戻ってきた後輩にクライアントの要望を聞くと、「明るくしたい」という依頼だったようなので、現在の壁紙の色を基に最新のトレンドを折り込んだ色見本と見積書を持って行かせたところ、クライアントから全く見当違いのものを持ってきたと事務所にお叱りの電話がありました。話しをよく聞いてみると、そもそも室内が暗い印象があるので、照明や窓を設けるなどのリフォームの相談をしたいということでした。このような場合、後輩にどのように分からせたら良いのでしょうか。教えてください。

スノー2250さん ( 島根県 / 女性 / 39歳 )

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経営コンサルタント

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理解度とモチベーションの度合いを良く把握して指導しましょう

2020/09/28 21:10

こんにちは、スノー2250さん。
話の要点がきちんとつかめない後輩の指導・育成についてのご相談ですね。

〇はじめに
壁紙を替えたいというクライアントからの電話に関する事例を拝見し、スノー2250さんが対応に苦労されていらっしゃることが伝わってきます。そこで、「後輩にどのようにわからせたら良いか」というお悩みに対する解決策として、「後輩の理解度とモチベーションの度合いを良く把握して、きめ細かく指導する」ことをご提案します。

この提案では、「後輩の理解度とモチベーションの度合い」については、以下の3つの視点で整理しています。
・知識
・テクニックや仕組み
・モチベーションとそれを支えるコミュニケーション

以降、それぞれの視点から、説明いたします。

〇知識が不十分の場合
後輩が分かっていない主な原因が知識不足であれば、まずはしっかりとした知識を身につけさせましょう。建築・設備の基礎知識、リフォームに関連する法律の知識、営業マナー、契約業務の基礎、顧客対応の仕方、効果的なヒヤリングの仕方、現場調査の仕方、建物診断の方法、見積もり、設計・CAD等について、スノー2250さんのこれまでの経験をもとにしてお手本を示したり、業務マニュアルを活用して、基礎的な知識をきちんと習得してもらいましょう。

教える際は、業務に取り組むイメージを明確に持ってもらうために、わかりやすく具体的に教えるように工夫しましょう。具体的であれば、業務での認識のズレも起きにくくなります。

また、日常業務を通じた指導・育成(OJT, On the Job Training)だけでは時間と手間がかかりますので、自己啓発・外部研修といったような外力も活用し、例えば「リフォーム提案士」のような資格取得や、自己啓発の教材購入、外部研修受講等を積極的に推奨するようにしましょう。

〇テクニックの習得や業務遂行の仕組みの活用が不十分の場合
後輩が基礎的な知識は持っている場合は、その知識を生かすテクニックが不足していたり、業務遂行の仕組みの活用が不十分の場合がありますので、そういったテクニックを習得させたり、仕組みの活用を勧めましょう。

例えば、後輩はメモを取っていますか?メモを取る癖をつけさせることはとても大切です。メモを取ることで頭の中が整理されますし、後でわからなくなってしまった時にも確認することが出来ます。教えたことに対し、もう一度質問されないためにも、メモを取る必要性を教えていきましょう。

日報を使っていない場合は、日報を活用することも効果的です。日報を活用することで、一日の業務の振り返りを行うことができ、また文章を通じてであれば、面と向かっては言えない悩みや要望なども伝えることができ、円滑なコミュニケーションにも役立ちます。

日報に加えて、進捗報告も活用しましょう。進捗報告では、どの時点で何を報告するか、またどんなことが起きたら報告するかを前もって決めておきましょう。その際、進捗報告は定量的に実施させることが良いでしょう。「まだできていません」「いまやっている最中です」だけではなく、「いま進捗としては70%程度です」「資料の15ページ目を作成しています」など、具体的な進捗状況を伝えてもらうようにしましょう。

〇モチベーションとそれを支えるコミュニケーションに問題がある場合
後輩の知識やテクニックに特に不十分な点はなく、業務遂行の仕組みの活用ができている場合は、モチベーションが上がっていないこと、特にスノー2250さんをはじめとする仲間とのコミュニケーションに問題があるためにモチベーションアップが図れていないことが原因と考えられます。後輩のモチベーションをアップさせることに注力し、スノー2250さんと後輩の間のコミュニケーションをさらに良くして、後輩のモチベーションアップを支えましょう。

まず、後輩の指導に際しては、前向きな姿を見せ、「一緒に頑張ろう」と思ってもらうようにしましょう。また、忙しかったり、機嫌が悪くて話しかけにくい空気をつくっていて、気軽に報連相ができない雰囲気では、連携ミスや意識のすれ違いが起こりやすくなってしまいます。「いつでも何でも質問してね」と常にオープンな状況をつくりましょう。

そして、今回の事例のような場合は、「お客様からの苦情を受けたが、どう挽回するか一緒に考えて欲しい」という、「後輩に寄り添う」気持で臨むのが良いと思います。上から目線で話すことは、時として後輩の反感を買ってしまい、指導の本意が伝わらなくなってしまいます。丁寧に傾聴・共感を行い指導の本意を伝えてください。

また、スノー2250さんの発言を後輩がどう受け取っているのかは、後輩からの「分かりました」という言葉だけではなかなか判別できません。人は考えている事が表情に出ます。後輩の表情を観ることで、自分の話に納得しているのか、理解が出来ていないのか、腑に落ちたのかを探ることができます。後輩の表情をよく見るようにしましょう。

さらに、後輩の自立を促すことを考えましょう。顧客からのヒヤリングでは、「顧客の要望を掘り下げる」ことが大事であることを示し、まず自分が手本を見せましょう。そして、ただやり方を教えるだけでなく、「どうしたらゴールにたどり着けるか、そのために何をすれば良いか」といったことを考える機会を与え、その切り口や方法を伝えていきましょう。「先輩がいるから、自分が失敗しても良いだろう」という気持ちがあると、仕事が甘くなり、絶対に成長しません。何かあっても最後は自分で何とかするという気持ちを持つ重要性を伝えていきましょう。

これらに加えて、振り返りの機会をつくって、学んだことをしっかりと自分の中に落とし込ませるようにしましょう。自分が足りない点や良かった点がより明確になり、今後の仕事につなげることができます。その際、スノー2250さんからも適宜フィードバックをしてあげることにより、「ここまで見てくれているんだ」と信頼感の醸成にもつながります。

〇おわりに
国土交通省の資料によると、リフォーム事業者の皆様は、「リフォーム経営上の悩み、今後の取組みが必要な課題」のトップとして「人材育成」を挙げており、スノー2250さんのお悩みはリフォーム事業者の皆様に共通する課題と言えます。(*)

住宅リフォームでは、お客さまは、担当者のマナーや提案内容などを見極め、信頼できると判断した店を選ばれる傾向が顕著だと伺っております。これらに対応できる人的スキルが、リフォームのクオリティ・満足に直接つながると思いますので、人材育成はとても重要です。

理解度とモチベーションの度合いをみたきめ細かい指導・育成を行うことにより、後輩が貴部門を支える重要な戦力になっていくことをお祈りしています。

(*)事業者団体を通じた適正な住宅リフォーム事業の推進に関する検討会(第1回)
    資料6 (https://www.mlit.go.jp/common/001023471.pdf

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